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side.Senra ページ45

ソファーに腰掛けたAさんは、すぐに姿勢を正して俺に頭を下げてきた。

「ごめんなさい。ずっと黙っていたけど、私がこのカジノのオーナーです」
『おん』
「…その、いつかは話さなくちゃいけないとは思ってたんだけど…」
『ええですよ、別に』
「っ、センラ君…」

彼女の置かれている特殊な状況は、頭では理解している。だが、心が追い付くかと言われたら話は別だ。予想以上にぶっきらぼうな言い方になってしまった自分に、Aさんは申し訳なさそうな眼差しを向けたものの、下手に言葉を口にしなかった。

(そーいう所がツボなんよなぁ)

思い返してみれば、Aさんの仮の姿(?)であるラヴィさんも俺以上に聞き上手だった。アドバイスが欲しい時は的確なアドバイスをくれ、何も言わないで欲しい時は黙って話を聞いてくれた。

『惚れた方が負け、ってことですかね…』
「…センラ君?」

俺の独り言が聞き取れなかったようで、彼女は首を傾げながら俺の顔を覗きこんでくる。そのあどけない表情がラヴィさんに重なる。

『…こうやって見ると同じやなぁ』

髪色と化粧の違いだけで、1年間ずっと俺たちはオーナーとAさんは別人だと勘違いしていた。俺たちだけでなくAさんはずっと周囲を欺き続けている。
この状況を彼女の望んではない事は、先程の言葉と今の態度で十分に理解した。いや、理解してしまった。

『Aさん』
「…はい」
『ずっと言い出せなくて辛かったんとちゃいます?』
「………え、」

驚いている彼女の口が「な、ん、で」と動いたように思えた。声にならない声が彼女の本音を表していて、思わず腕を伸ばしてしまう。

『これからはセンラが一緒に背負っていきます。…いや、背負わせて?それが俺の"願い事"や』
「セ、センラ君…」

頭に乗せていた手をするりと後頭部に移す。ピクリと肩を揺らしたAは潤んだ瞳で俺を見つめてきた。

『俺にしとき?』

他の誰にも取られたくない、そんな感情に支配されたまま、俺は彼女の柔らかい唇に口付けるのだった―――

あとがき→←side.Shima



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紫苑(プロフ) - リリさん» ちゃんと変換できたみたいで良かったです! ご不便をおかけして、失礼しましたm(__)m 頑張ります!ありがとうございます! (2019年10月14日 0時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - ちゃんと、名前が出来ていました!名前で呼ばれるのが嬉しいです( ̄∇ ̄*)ゞ次も頑張ってください! (2019年10月13日 18時) (レス) id: 3c3ec4405a (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - リリさん» リリさん、ご指摘ありがとうございます…!こちらの設定ミスです…修正いたしましたので、名前が変換されるはずです! 応援ありがとうございます!頑張ります!!! (2019年10月11日 21時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - 最高です!登場人物の、名前を変える設定で名前を入れても、変えれないのですが……どういうことでしょうか……これからも、頑張ってください! (2019年10月11日 15時) (レス) id: 3c3ec4405a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫苑 | 作成日時:2019年10月7日 13時

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