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stage.6-2 ページ10

「提案、ですか…?」
「ここに就職してみないか?」

金城さんの言葉を反芻する。カジノに、就職―――?

「幸い、君は顔を知られていない。化粧をして髪色を変えれば、オーナーが場に出てても気が付かないだろう」
「つまり、ディーラーになるって事ですか…?私、ルール知らないんですけど………」
「そこはきちんと教育するから安心してくれ。それか、もし場に出るのが嫌ならば裏方の仕事も用意はできる。意外と人事とか経理とかがあるのでな」
「えっと…」
「急に決めろとは言わない。ただ君が思っているより、このカジノのオーナー権というものは、喉から手が出る程欲しい地位なのだという事は理解してくれ」
「…はい」
「君が俺のように、襲われたら襲い返す程の強い人間ならば、別にここに縛る必要は無いのだが…」
「…喧嘩は口喧嘩しかした事がありません」
「だよな」

苦笑いを溢す金城さんに、ふと気になった事を口にする。

「あの、金城さんはどうしてこんなに親切にしてくださるんですか…?
こんな風に丁寧に説明しないで、『オーナーの仕事は俺がやっておくから任せろ』とか言って実権握っても、私はきっと何も気が付きませんでしたよ?」

金城さんは私の言葉にキョトンとした後、今までで一番柔らかい表情で笑った。

「そんな事をしたら、運命の女神に見放されてしまう」
「運命の女神…?」
「馬鹿みたいに思うだろうが、俺は運命の女神とやらを信じてるのさ。…運命の女神はイカサマした奴には微笑まない。だから俺は出来るだけ正直に生きようと心に誓っているんだ」
「………格好良い」

金城さんの予想外の言葉に、私は心の底から感動した。この人が前オーナーで良かった、そうでなければ私は騙されていたかもしれないのだ。

「金城さんっ!」
「お、おう急に何だ…」
「私、ここに就職します!」
「…そうか」
「そこで金城さんにお願いがあります。私にオーナーの仕事を教えて下さい」
「それは勿論引き継ぎはするつもりだが…」
「いえ、そうではなく…。2年、せめて1年は補佐として、お仕事を手伝ってほしいんです」
「それは…」
「お願いします!金城さんと一緒にお仕事してみたいんです!」

私がガバリと頭を下げると、金城さんがたじろいた気配がしたが、そのまま頭を下げ続ける。室内に沈黙が下りて、どれ位経っただろうか。体感的には永遠にも感じられたが、やがて金城さんに優しく声を掛けられた。

「そこまで言われたら引き受けよう。よろしくな、A」

作者より感謝です→←stage.6-1



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紫苑(プロフ) - リリさん» ちゃんと変換できたみたいで良かったです! ご不便をおかけして、失礼しましたm(__)m 頑張ります!ありがとうございます! (2019年10月14日 0時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - ちゃんと、名前が出来ていました!名前で呼ばれるのが嬉しいです( ̄∇ ̄*)ゞ次も頑張ってください! (2019年10月13日 18時) (レス) id: 3c3ec4405a (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - リリさん» リリさん、ご指摘ありがとうございます…!こちらの設定ミスです…修正いたしましたので、名前が変換されるはずです! 応援ありがとうございます!頑張ります!!! (2019年10月11日 21時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - 最高です!登場人物の、名前を変える設定で名前を入れても、変えれないのですが……どういうことでしょうか……これからも、頑張ってください! (2019年10月11日 15時) (レス) id: 3c3ec4405a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫苑 | 作成日時:2019年10月7日 13時

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