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声のない転校生:3 ページ3

「聞こえたんだから、仕方ないじゃん。」

ちょっと怒り気味に言うけれど、余程楽しみなのか、笑ってる。

ガラガラと担任の先生が入ってくる。
ガタガタと、席に座るクラスメイト。

「えー・・・HR(ホームルーム)の前に皆に知らせがある。」

ガヤガヤと教室が騒がしくなる。
対して僕らは、特に動じない。
前の二人はウキウキしていて。
僕も、少し興味はあった。

「今日転校生が来るんだが・・・」

少し、間があってから、先生が話す。

「まあ、お前らなら仲良くやれると俺は信じてるよ。」

僕らも含めて、首をかしげる。
チラリと奈緒を見ると、彼女も首をかしげている。

入ってくれの一言で、誰かが教室に入ってくる。

真っ直ぐに延びた背筋。
長くてストレートの黒髪。

「・・・かわいい。」

斜め前から、そんな声が聞こえた。
確かに、と僕は心の中で頷く。

先生が、黒板に転校生の女の子の名前を書く。

媛乃 みか

ん?と首をかしげる。
先生が<みか>と書く時、何を思い出したように、黒板消しで消していた。

「えーっと、媛乃みか(ひめのみか)さんだ。仲良くしてやれよ。」

すると、彼女が何かを前に出す。
・・・ノート?

<はじめまして、みなさん。媛乃みかです。>

とても綺麗な、字だった。

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作者名:夢月花(むつきはな) | 作成日時:2017年8月30日 20時

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