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Aちゃんの熱はすっかり下がってて
朝ごはんも作ってくれた
お味噌汁に魚の焼いたんと温野菜
ご飯は俺の分だけレンジでチンするやつ
Aちゃんはおかずだけ
2人で向き合って食べる
「味噌汁めっちゃ旨い!」
俺がそう言うたらAちゃんは嬉しそうに笑った
そんあとは
旨い旨い言いながら口いっぱいほおばって
もぐもぐ噛みながらAちゃんの顔見て
ふんわり笑てくれるん見て
幸せも噛みしめて
あっという間に完食
Aちゃんが食べ終わるん待つ間
頬杖ついてAちゃんの顔をじっと見る
Aちゃんは最初気がついてへんかったけど
気がついてからは真っ赤になって食べられへんよなったから
可愛いけどかわいそうになって
スマホをいじる
Aちゃんが食べ終わって
2人でごちそうさまをする
「座っとって」
って言葉に甘えてヒナにLINE入れかけて
ヨコが拗ねたらめんどいから
3人のグループの方に
【Aちゃん熱下がった】
【昨夜からAちゃんちおるから家にはおらん】
そう送る
スマホ閉じたとこに
Aちゃんがコーヒーいれてきてくれた
ダイニングテーブルからソファーに移動
俺はソファーに座って
Aちゃんはラグの上
コーヒーを一口飲んで
「レコードかけてもええ?」
って聞いたら
「すばるくんが好きそうなんもあるよ」
って立ち上がってくれた
昨日は気が付かへんかった
レコード棚の隅っこに置いてある
ガラスのトレーに入った
綺麗な赤色のイヤモニが目に入る
じぃっと見つめてしもてた俺に
「ずれへんようにリズム隊の音聞いてたん」
「右耳用のは補聴器のダミー」
「付けたからって聞こえへんからどうせなら目立たそってなって」
ってふんわり笑って
洋楽やけど初めて見る名前のレコードを差し出してくれる
「イヤモニ綺麗な色やな」
「てかイヤモニってAちゃんプロみたいやな」
俺が笑てそう言うたら
Aちゃんは何でかちょっと困ったように笑たけど
また一つAちゃんの情報ゲットやん
って俺は嬉しくなった
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作者名:UTA | 作成日時:2018年12月10日 7時