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私は抱き起こされたまんま

向かい合うわけでもなく

隆ちゃんは私を抱きしめた


それでも嗚咽が止められへん私の

涙や鼻水拭きながら


私の背中を


とんととん

とんととん


叩き続けてくれた


私は

今から隆ちゃんに伝える決断が

揺らがないように

何度も

何度も

頭の中で反芻して

明日からの毎日を想像しては

また涙が止まらへんようになって

この場に及んでもなお

隆ちゃんの腕の中に収まってて...


ほんま自分の弱さが嫌になる...




「...隆...ちゃ...ん」



あかん

こんなふうに隆ちゃんの優しさに包まれてたら

言えんくなる

そう決心して

途切れ途切れやけど話始める



「うん?どした?」



優しくて甘い

大好きな隆ちゃんの

大好きすぎる話し方



「隆ちゃん...あんなぁ...」



あかん...

隆ちゃんの顔を見ながらなんて言えへん…


ギュッと目をつぶって続ける



「お願いやから」

「どうか...」

「...どうか...」

「...別れ...て...」



私の背中にある隆ちゃんの手が止まった



「...A...?」



私の声も震えてたけど

隆ちゃんの声も震えてる



「僕の事...嫌いになった?」



「大好き」

「嫌いになんてなれるわけないやん」



「ならっ!」

「なんで?」



「大好きやから」

「大好きすぎるから」



「やったら...」



「ごめん...なぁ...」

「私のわがままやの...」


「他に...」

「他に...大切にしたい人が...できた」

「......」


「...ずっと...ずっと...」

「これからも」

「誰よりも応援し続けたいから...」


「傷つけ合いたくはないから...」



「分かって...まるちゃん...」

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作者名:UTA | 作成日時:2018年11月26日 21時

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