【アンナチュラル】中堂さんの相棒【男主】

予定外の証人turn6 ページ29

確かに傷口はおかしかった。
一般的な“右利き用”の包丁なら、傷口は「レ」の形。だが、資料によれば、しずくは左利き。

なら、普段からも左利きの包丁を使う筈だ。家の包丁が凶器になるのなら、傷口も左利きの包丁での傷、つまり、平面が下にくるはずだ。

おかしかった。違和感はあった。だが…行動がクソすぎる。

UDIラボに戻り、神倉さんに事情を三澄が話していく。

中堂「信じ難い馬鹿だな」
『全くだ』
神倉「検察側の証人で出た人が次の公判から弁護側の証人なんて聞いたことないよ！」
三澄「仕方なかったんです、成り行きで」

神倉さんがこっちを見てくるが、知らない。俺は止めたぞ。

どうやら、要一は事件の前の夜、トイレに行く時妻の死体を見ていたらしい。だが、夢だと思いこみ、そのまま寝てしまった。次の日起きたら周りに警察状態。

神倉「他の法医学に頼もうよ」
中堂「この状況で引き受けるところなんて無いですよ」
東海林「そうなの？」
『弁護側につく法医学自体が少ない。仲間に対立する形になる。つまりは警察、検察を敵に回すことに値するからな』

本を手に取って中堂の隣に座る。

神倉「敵に回さないでくれる？UDIラボは…」
三澄「中立公正な機関ですよね？」
神倉「理念はそうですけど…」

中堂「だから、代理人なんて引き受けるな、と言ったんだ」
三澄「元はといえば2人が訴えられたり注意されたりしたから…」
『どんな状況でも俺らは受けない。一々行動、判断共に迂闊すぎる』
中堂「そんなんだからトラックごと沈められるんだ」

馬鹿にしたように嘲笑する。それを言われちゃぐうの音も出ないだろう。

神倉「裁判、勝てるんですよね？負ければUDIラボの信用を失います」

ニッコリ笑って三澄は返した。

三澄「大丈夫です」
『ホントかよ…』

神倉「前宮くん！次もついて行ってね!!」
『だぁるいっすわ…』

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