シャンプー /am ページ21
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『まぁくん、お風呂上がったよ』
床にペタンと座ってソファにもたれ掛かる横顔に声を掛ける。やはりいつ見ても整った顔だな、と惚れ惚れしてしまう。
「ん…って、A髪濡れたままじゃん。先乾かしなよ。風邪引くよ？」
『いいよ大丈夫！まぁくん入って洗面所空いたら乾かすから』
「だーめ。女の子は髪の毛大事なんだから！」
「ほら、乾かしてあげる。おいで？」
そう言ってソファに座り直した彼は、足の間をポンポンと叩いて私を呼ぶ。言われた通り前に座ると、柔らかいタオルが私の頭を包み込んだ。
「ふふ、いい匂い」
『このシャンプー良いよね』
「うん、超好き」
何気無い会話が、とても幸せだな、と思う。
同棲というものを始めて今日で一週間。お互いの良い所も、嫌な所も、少しずつ分かってきた。
「俺ね、」
タオルの向こう側の彼が、話す。
「同棲、ってちょっと怖かったの。」
「喧嘩が多くなっちゃうかなとか、嫌な所見えちゃうかなとか。」
「でもね、違った。」
『…どういう事？』
「Aなら、嫌な所でさえ好きになれる。」
ピタ、と髪を乾かす手が止まった。
そっと彼を見ると、優しい顔で笑って、
「全部、Aの全部好きだよ。」
なんて。悔しい程に甘い言葉。
真っ直ぐ見つめられるのが何だか恥ずかしくなって、無防備な彼の頬にキスを落とした。
『…ずるい。』
「…ん？」
『絶対、絶対私の方が惚れてるのに、まぁくんばっかり言葉に出来るの、ずるい。』
しばらくの沈黙の後、彼は俯いた私の顔を持ち上げた。真っ直ぐ合う視線。綺麗な瞳。
「知ってるよ？Aが俺にすっごい惚れてる事。」
「ほら、この顔にいつも書いてる。」
彼の指がゆっくりと私の輪郭を撫でる。
そして、その指はそっと唇に触れて、
「お互い、ゾッコンだよ (笑)」
って、笑いながら唇を重ねた。
抱え切れない程の幸せが、今にも溢れ出しそうになる毎日。いつまでもこんな日常が続けばな、と思う。
彼の、全てが、大好きだ。
end.
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ウタ(プロフ) - 愛梨さん» ありがとうございます！とても嬉しいです。励みになります。これからもマイペースに頑張ります！ (2020年1月5日 18時) (
レス) id: 2132398f2b (このIDを非表示/違反報告)
愛梨 - はじめまして。どのお話もとーっても面白くて大好きです。更新大変だとは思いますが頑張ってください。応援してます。 (2020年1月5日 14時) (レス) id: f7e12740e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ウタ | 作成日時：2019年1月31日 21時
