くちびる /am ページ13
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そっと、彼の手が私の髪を撫でた。
「さらさら」
そう、一言だけ囁いて笑った。
好きで、好きで堪らなかった人が、今、目の前で笑ってる。私だけに、笑ってる。
『相葉くん、』
「雅紀」
『…ま、くん……』
「ふふ、合格」
まだ慣れない呼び方。
ただのファンだったのに、彼を好きな何百万人の中の一人だったのに、今、私は、彼の隣に居て。
「キス、していい？」
『…っ、…うん』
「聞こえない」
『…うん』
私の髪を撫でていた手が、私の頬に触れる。そっと顔を持ち上げられて、私の視線と、彼の視線がぶつかった。
「目、開けててね」
『や、そんなの…』
「開けてて」
『……』
「こら、下向かないの(笑)」
頬に触れる彼の手は、温かくて、優しくて、
「こっち見て」
『ん、っ』
唇に触れた唇は、蕩けそうに甘かった。
「俺ね、」
『うん』
「Aの事ね、」
『う…ん』
「ほんとに好き」
彼の瞳に映る私は、泣いていた。
その涙を彼の優しい指が拭う。
「好き、だよ」
私達を温める暖房の音が、やけに大きく聞こえた。
理由なんてないけれど、この人とならなんでも上手くいく気がした。
『ねぇ、…まぁくん』
「ん？」
『愛…してる。』
甘いキスが、私の唇に落ちた。
end.
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ウタ(プロフ) - 愛梨さん» ありがとうございます！とても嬉しいです。励みになります。これからもマイペースに頑張ります！ (2020年1月5日 18時) (
レス) id: 2132398f2b (このIDを非表示/違反報告)
愛梨 - はじめまして。どのお話もとーっても面白くて大好きです。更新大変だとは思いますが頑張ってください。応援してます。 (2020年1月5日 14時) (レス) id: f7e12740e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ウタ | 作成日時：2019年1月31日 21時
