伊黒小芭内が前の席に座ってくる件４【鬼滅の刃】

３年　冬　５５ ページ2

伊黒｢俺は、大吉だったんだ。だから、俺の大吉の効果でAの嫌な事が祓えると…いいな、なんてな。｣



ー、ああ、胸が痛い。



心臓は酷いくらいに波打ってるし、
ときめきで胸は
締め付けられたかのようにぎゅっと痛む。


嬉しくて、恥ずかしくて、
けれど、どうしようもなくて、
また心拍数は上がるし。


…そして、この恋が報われる事はないのだと
理解しているから、また酷く痛むのだ。

脳裏を過るのは、カナエやしのぶのような、
美しい顔立ちの友人達の姿。


『ありがとう…ふふ、嬉しい』


無理だよ。
とっととくっつけ、なんてさ。
いくら神様がそう言っても、無理なの。

手が届かないよ、私のような
顔面偏差値へーへーボンボンの女子生徒に、
こんな綺麗で素敵な人なんて。


『(…でも、)』


恋が実ることは望まない。

例え神様がそれを望んでいても、
今の私には不相応すぎる。


…でも、この人を好きで居ても良いだろうか。

それくらいは、赦されるのではないのだろうか。


『さ、屋台見て、帰ろう！』


伊黒｢ああ、分かった。…飴細工の店に寄ってくか？｣


『ん？そんな店、あったっけ！？』


伊黒｢確か参道の中間の方に…｣





好き





たった２文字なのに、それを伝えることは、
どうしようもなくもどかしい。

拒絶されたら？嫌われたら？
…なんて考えると怖くて口は開かなくなる。


…それでも、君が誰かと結ばれるまで、
私は君のことを想い続けるのだろう。





まったく、恋という感情は
難しくって叶わない。


＊＊＊


伊黒さんに優しくエスコートされながら
２人で初詣デートに行って、
はにかんだ笑いを見たかった人は、
正直にコメント欄で言いましょう。
怒らないので言いましょう。


…はい、私です。ごめんなさい。
伊黒さんのはにかんだ笑いと
大胆な行動はまさに性癖です…。

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