伊黒小芭内が前の席に座ってくる件３【鬼滅の刃】

３年　冬　４１ ページ37

クリスマスパーティーも賑わいを見せ、もう閉会の時間が迫っている。

周りをうろうろと見回したときに
カナエと実弥が居ないことに気がついて
私はひっそりと笑みを深めた。



学園行事のジンクスとして、こんな物がある。



【中庭のクリスマスツリーの下で告白すると、叶う】



本来ならば眉唾物として扱われるだろうそれは
あまりの成功率の高さに、
うちの学園では真実となりつつある。


おめでとう両片思い！！

そしてリア充は末永く幸せでいろ！！


ここ最近、カナエがそわそわしていたので
もしかしたら、なんて思っていたのだが、
やはりそうだったか…
あ、でもまだ確認してないからなぁ…。


伊黒｢…？どうした？｣


『ううん？なんでもないよ。あ、この料理美味しいよ。はい、あーん。』


伊黒｢！？！？｣


告白シーンを見守るなんて、
そんな野暮なことはしません。

…え？デートはついていったのにって？？
それは言っちゃいけないよ。


『(今夜はスマホを手放せなさそうだなぁ…あ、胡蝶家にお泊まりコースでも良いけど…)』


そんなことを考える私を余所に、
宇髄がけらけらと笑いながら口を開く。


宇髄｢いつにも増して上の空だな｣


冨岡がはっとした表情を浮かべた。


冨岡｢…そう言えば、しのぶが、Aは年に１度、従兄弟の無一郎のように、突然上の空になることがある…と言っていた。｣


煉獄｢それか！！｣


違うわ。普通に考えてだけなんだわ。


『聞こえてますけどー。…え、小芭内食べないの？』


伊黒｢…た、食べる｣


耳に髪をかけながらおずおず口を開いた
小芭内に料理を餌付けする。
…あらあら、色っぽいなぁ。
流石はイケメン。





その日の夜、カナエから一通の知らせが入った。


カナエ実弥くんとお付き合いすることになりました…


つまるところ、不死川カナエの爆誕である(違う)。

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