やめたら、その9 ページ26
「あのー、銀さんこの宇宙船、随分長いこと飛んでませんか?」
新八の心配そうな声が宇宙船内に響いた。
新八らがこの宇宙船に閉じ込められて数日が経過していた。
「おい山崎ぃ迷ってんじゃねぇだろうな」
銀時は苛ついた声で操縦板に向かっている山崎を見る。
「これ借りてきたの局長なんですから局長に聞いてくださいよぉ.......」
山崎はこの宇宙船の操縦を任されてから5回目となる質問にやはり苛ついた声で返した。
操縦とはいってもこの船は最初に入力した座標に向かって自動で走行するシステムが搭載された最新機の試作型であるから、山崎のすることは画面に映し出される宇宙の映像から目的の宇宙船を探すことのみであった。
時は数日前に遡る。
そう、近藤勲が宇宙船を借りてきたのだ。
どこの誰からどのように借りたのか近藤は話したがらなかったが、万事屋が掴んだ天人の拠点の情報、丁度よく真選組に戻った土方。それから過去の資料を漁り天人の情報を纏めた山崎が揃った時点で宇宙行きは確定した。
そうして今に至る。
万事屋と近藤、土方、沖田、山崎を乗せた宇宙船は数日宇宙を漂っていた。
「地球から天人のいる星までの区間に奴らの宇宙船があるって読みが間違ってんじゃねーですかぃ」
沖田が土方に質の悪い悪戯を仕掛けながら近藤に話しかける。
近藤は唸りながら山崎と共に血眼になって宇宙船を探した。
「船見つけても違う星のだったら元も子もないアル、星まで行って暴れ回ったらアイツらも慌てて戻ってくる筈ヨ」
「んな事したら面倒な事になるだろうが、俺たちの目的はAを連れ戻す事だ。船と婚約者だとかいうふざけた野郎をぶん殴って地球に帰るんだよ」
土方が据わった目で刀を握る。
「シスコンにジョブチェンジしたマヨは誰にも止められないアル」
神楽は適当に話を切り上げると銀時の横に座り込んだ。
無言の時間が流れる。
宇宙船ないの空気は限界値まで悪くなっていた。
「あっ!」
山崎が突然立ち上がった。
「なんでぃ山崎、忘れ物でも思い出したのか?安心しろぃ。てめーの母ちゃんなら」
「違いますよ!!!宇宙船!!!!宇宙船が見つかりました!!」
適当なことを抜かす沖田を遮る山崎の声を聞き搭乗している者は全員操縦板のモニターに駆け寄った。
「良かったね神楽ちゃん!これでAさんを助けに行けるよ!」
「よっしゃぁ!そうと決まれば宇宙船に飛び移るある!」
全員が様々な思いを胸に敵の宇宙船へと乗り移った。
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さくらんぼ☆*.゚︎ - 初コメ失礼します!このお話 最高です!続き気になります!更新頑張ってくださいね!!応援してます! (2022年12月12日 0時) (レス) id: def3760315 (このIDを非表示/違反報告)
薄良(プロフ) - お餅さん» うわあああ申し訳ねぇ.......細かい設定を忘れ去っていました。普通に主人公の年齢と合いませんね.......細かい年齢表記削除しておきますありがとうございます (2020年2月20日 0時) (レス) id: 38546ea573 (このIDを非表示/違反報告)
お餅 - あの…総悟が5歳のときって土方さんいましたっけ?土方さんが来たのって総悟が13くらいのときじゃありませんでした?違ったらすみません (2020年2月19日 18時) (レス) id: 436e739fd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:薄良 | 作成日時:2019年5月6日 0時