第二話 ページ3
ハエがハエたたきで叩かれるのは一体どれほどの恐怖なのだろうか。
今回の事件とは、そんな可愛らしい日常的なものではないが、なす術もなく、逃げ回るしかできない。
そんな生と死の瀬戸際、という点においては近しいものを感じる。
幸いにも襲われたのはサバナクロー寮の上級生。
しかも学年でも実技はトップクラスの優等生で、さらに言えばマジフト部レギュラーの秀才だった。
反射神経、運動能力から魔法の技術まで申し分ない彼だからこそ大事には至らなかったものの、三日意識不明となり目を覚さなかった。
世界中でも優秀な魔法士が集まるここNRCの中でもさらに優秀な魔法士が、学園内で発見された生き物にここまでの重症の傷を負わされたのだ。
学園長は周りの教員の言葉もあり、サバナクロー寮の上級生を狙ったその正体不明の生物は直様危険と判断された。
生徒には、授業のある日を週5から週2に変え、休みの日は寮の外に極力出ず、安全に過ごすよう伝え、各教員には寮内課題を設けるよう指示した。
その後学園長は、襲われた生徒の証言、
「八重歯」
「男」
「NRCの制服は着ていない」
「人間や獣人、人魚ではない」
「足が早い」
「魔法のようなものを使う」
「日光を避けて逃げていった」
を元に朝昼夜とひたすらその生物を探し周り、今後の対応に勤しんでいた。
しかし、いつまで経っても見つからない。
暫くはその謎の生物について不穏な噂も絶えなかったが、一週間が経つ頃には平穏な学園生活が戻ろうとしていたその時、
またしても事件が起きてしまった。
次の被害はスラかビア寮の一年生だった。
入学したての右も左も分からない一年生が襲われた。
魔法を学び始めてまだ日の浅い彼には、為す術がない。
今まさに死んでしまうと言うその時、近くにいた教員に助けられてなんとか命に別状はなかった。
しかし右腕を骨折、両足肉離れ、全身には深い切り傷ができ、出血多量で生死を数日彷徨った。
そして、その生物に確保についてだが、結局その時は生徒の救出だけで手一杯で、捕らえる事が出来ず逃してしまった。
2度目の被害後も、全てが謎に包まれたまま終わってしまったのだった。
そのまま数週間が経つ。
事件は日に日に増す。
対応に忙しくなる。
教師の手も回らなくなる。
学園長は焦る。
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白帽子(プロフ) - シャリファさん» 本当ですか…！嬉しいです。では更新していく方向で考えていきます。また、長らく更新お待たせしてしまい申し訳ないです… (3月12日 6時) (
レス) id: f1b6561477 (このIDを非表示/違反報告)
シャリファ(プロフ) - めちゃ需要あります！この小説面白くていつも楽しみにしてます (3月12日 3時) (レス) @page12 id: d94d66ff3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白帽子 | 作成日時：2021年5月26日 13時
