閉じ込めたくて【そらる】 (ページ29)

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PSYCHOPATH 28 ページ29

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『私ね､人を殺したの。』

｢ ……え､何言って｣

『 …そう簡単には信じないよね。だけど本当だよ。』

｢ ……。｣

『私は小さい頃から周りの人にお前は人とは違うとか､モンスターだ､とか好き勝手言われてた。理解してくれる人なんていなかった。もちろん…親だって私のことをモンスターと呼んで避けた。だから私は怖かった。いつか自分が本当のモンスターになってしまうことが。』

｢ ……。｣

『私はその頃はモンスターじゃなかったの。あなたのようにね。あなたのように､モンスターの仲間入りする､一歩手前のところにいたの。足を踏み出せば…すぐに仲間入りできるような､そんな所。』

｢ …僕も､僕もそんなところにいるんですね。今。｣

『そうだよ。でも私は…1歩を踏み出してしまった。』

｢何でですか? ｣

『モンスターと言われたからだよ。この世には､モンスターって言われてモンスターになる人がいるの。それは私みたいな人。もとからそうなった訳じゃなかった。だけど､誰にも理解されなかった。モンスターと毎日言われ続けた。だから……だから幼かった私は､ "そうなんだ。私はバケモノなんだ。" とそう感じて､本当のモンスターになってしまった。』

｢ …。｣

『でも､あなたは私に理解された。そして私が断言する。あなたは変な人なんかじゃない。 …あなたはまだ､大丈夫。人を殺してないんだから､道なんていくらでもある。贅沢だよ。道を…選べるなんて。』

｢ ……っ､ありがとう。ありがとう…っ。こんな僕を……! り、りかいっ､してくれて……っ。｣

『 ……オスが泣いてんじゃねーよ。ほら､早く立って。みんなが見てる。』

｢そうだっ､これ……っ。｣

『ん?? 』

｢優太が…弟がAさんのために一生懸命折ったんです。鶴。｣

『 …上手ね。ありがとうっていっといて。』

｢はい…、。あと､僕んちあそこにあるんで､今度遊びに来てください……っ。｣

『まぁ､気が向いたら。』

｢ …Aさんの気が向く時は無さそうなんで僕が日程決めちゃいますね。ケータイ出してくださいっ! ｣

『 …さっきの泣き顔はどこに行ったんだよ。 ……はい。』

｢ ……っと､はいっ♪ライン交換しました! 日程決まったら後で連絡しますねっ。では! ｣

『 …変なやつ。』