【志/麻】最後の晩餐【坂/田】 (ページ4)

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定例晩餐会ページ4

「志麻、明後日坂田財閥の皆さんと晩餐会がある。準備をしておけ」

夕食後、父親に言われた。もちろん返事はしない。呆れられているのか、無視することに対してももう何も言われなくなった。

(その調子で俺の存在自体に興味失くしてくれたらええのに)

無視されてもなにも思わないならいてもいなくても一緒じゃないか、とはいかないらしい。

(…あ、月一のやつか)

坂田のところとは最低でもひと月に一度は晩餐会がある。
親の都合で色んな所に連れて行かされるのは不興だが、まあ暇つぶしの相手がいるので良しとしよう。

＊＊＊

「センラさーん」

「はいはい何ですかー？」

「明日の服ー」

「もう準備出来てますよ」

「さっすが」

一日が終わった夕食後なら自由、だと思ったら大間違いだ。その後もやることはやまずみ。それが終わってやっと寝れる時間になった。常に一緒に行動しているセンラさんに確認を取ると、相変わらず仕事が早い。既に準備は終わっているとのこと。

「ッは～…疲れた…」

「お疲れ様。電気消しますよ～？」

「ん～。おやすみ…」

＊＊＊

「優君。明後日、月崎さんたちと晩餐会の予定が入ってるからね」

「へーへー」

適当に返すと不満そうな顔で、眉を下げて口をとがらせる。気持ち悪いだけなのでやめて欲しい。親の都合で振り回されることに関して許しているのは志麻くんとことの定例会だけだ。

「うらさーん」

「なに」

「明日の昼何あるっけ」

「学校が終わったら剣道の練習。そのあと有栖院のお嬢様に返信の手紙だな。全部準備は済ませてある」

有栖院…。この間父親に無理矢理お見合いみたいなことをさせられたが、豪華なのは名前と服だけ。顔デカいしキモいし鼻デカいしキモいし目ちっさいしキモいし無理。色んな意味で言うなら顔も豪華かもしれない。

(絶対無理や…)

彼女なんて出来たことは無いがあいつだけは無理。

「うらさん一緒に寝よ―や」

「馬鹿か。いくつだよお前」

「え～、ええやん。心は5歳」

「実年齢は18歳な。心は5歳ってただのガキじゃねぇか」

昔は一緒に寝てくれたのになぁ～！！

「隣にいるんだから変わんないだろ。なんかあったら呼べばいい」

「壁一枚挟んだら別。怖い夢見たら全力で起こしに行くわ」

まあなんだかんだ言って俺が寝付くまで毎日側にいてくれる。ちっさいころは一緒に寝ることも多かった。

おやすみ、と相変わらずのイケボで囁かれる。大人しく瞼を閉じた。