【歌い手】4つの星【浦島坂田船】 (ページ3)

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1話ページ3

高校に入ってからはずっと楽な道を進んできた。

部活も帰宅部で、かといってバイトをしているわけでもない。

家に帰ったら勉強かパソコンで動画を見る、、、そんな日常。

恋愛にも期待していない。

彼氏ができたことはあるけれど、もって3ヵ月。

特に欲求もないし、平凡な生活を私は望んでいた。

そんな私の通う高校には、ある４人組がいる。

別に目立ってるわけではないのだが、そこの4人があまりにも仲がよすぎると、学校の噂になっている。

そんな話を聞いても興味は持たなかったけれど、高校２年生になった今、私は彼ら4人と同じクラスなのだ。

そんな彼らのひとり、｢うらた｣くんとは席が隣。

彼はいつもイヤホンをつけて登校してくる。

何を聴いているのか少し気になっていたが、この前ふと口元を見てみると

う｢reccoon(小声)｣

たぶん、彼が聴いているのは音楽ではなく英単語だ。

彼の言っていた｢reccoon｣をあとで調べてみると、その意味は｢たぬき｣だった。

彼は何故かいつもたぬきを連れているが、その理由を誰も聞いたことがない。

なぜって？

彼があまりにも平然とした顔でいるからだ。

何と返事が返ってくるか怖いから誰もその理由を聞けないのだ。