18話 ページ20
一年生___
坂「星名さん?」
私と坂田くんが初めて喋ったのは、体育の時だった。
新学期になってまず最初にある新体力テストの1000mのタイムを計測した時のことだった。
私は長距離が大の苦手で、走り終わった後もずっと座り込んでいた。
そしたら、ひとりの男の子の声がしたんだ。
顔を上げると、クラスで一番の人気者の坂田くんの姿。
正直走った後は誰とも話したくなかった。
だから無視してどこかへ行こうとしたのだけど・・・
坂「星名さん、顔真っ赤やで?大丈夫??」
A「そ、そりゃ1000m走ったあとだから・・・っ」
坂「ははっ、そか!」
この時初めて坂田くんの笑顔をまともに見た。
坂「お疲れさんっ!」
その言葉が、この時だけ、特別に聞こえた。
これが「坂田」くんなんだと___。
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あの出来事がなかったら今頃どうなってたかな。
A「私は、あまり自分から話しかけないから・・・」
坂「じゃあ!!!」
坂田くんがいきなり大きな声を出した。
私はそれに肩をびくつかせる。
A「坂田くん・・・?」
坂「俺が星名の分まで話しかけたらプラマイゼロになるやん!?」
A「え???」
坂「それに、もっと前からって言うてたけど、そんなのこれからたくさん話せば関係ないやん!
物事はプラスに考えるもんやで!」
坂田くんの言葉ひとつひとつが私の心に響く。
一体どこにこんなにポジティブな人がいるんだか。
A「ポジティブバカだね」
坂「ひど!wwwそれ俺の長所やねんけど!?wwww」
A「嘘嘘!私、坂田くんと話してるとなんだか安心する」
坂「えっ///」
坂田くんの顔がみるみると赤くなっていく。
A「え?・・・あ!い、いやそうじゃなくて!変な意味じゃないから!!!///」
坂「あ、そ、そうやんなwさすがにびびったわ・・・///」
あぁ、でも・・・///
「安心する」という言葉に嘘はない。
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TAT(プロフ) - 面白いです!!続きが楽しみ^^ (2016年6月12日 19時) (レス) id: 9358c251dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宮野緋色 | 作成日時:2016年6月12日 17時