【歌い手】4つの星【浦島坂田船】 (ページ12)

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10話ページ12

志｢あれ、戻ってきた｣

私はセンラくんに半ば強引に手を引かれ、合唱部浦島坂田船の部室へと再び連れていかれた。

いきなりセンラくんどうしたんだろう。

『君だ！絶対！！君だよ！！！』

少し焦ったような顔をして、大きな声を出して。

センラくんのその勢いに、私は何も言えずにここまで連れてこられてしまった。

坂｢どうしたセンラ｣

セ｢この子やでみんな！！｣

センラくんは私の肩をガシッと掴んだ。

センラくんの掴む手が強くてちょっとだけ痛い。

でも、そこから伝わる緊張感はただものじゃなかった。

え、なに？なになに？私何されるの怖いんだけど！？

う｢いや、いきなりこの子やでって言われてもわかるわけないっしょ｣

うらたくんはため息をついた。

私だって何のことかさっぱり。

やっぱりこの人たちの言動はどこかそそっかしい。

セ｢俺らに足りひん物は何かこの前言うてたやん！｣

坂｢そんなこと言ってたっけ？w｣

セ｢覚えとらんの坂田！？｣

坂田くんは｢ん～｣と唸りながら頭をかいた。

結局覚えてないらしいんだけど……。

志｢でも、何が足りないか結局答えでなかった｣

セ｢それはこの子の存在そのものやねん！｣

センラくんがそう言うとほか3人は頭に｢？｣を浮かばせた。