米花町ではよくある話…？−�� ページ41
「…僕も英語習おうかなぁ」
「顔バレ対策を考える話はどこに行ったんだい」
いつもの席――カウンター席でブレンドコーヒーを飲みながら、溜息を吐いた。
「原因が分からないんじゃ、どうしようもないですし…それにほら、見て下さいよ」
不貞腐れたように僕のスマホ画面を見せる。あれから情報源を探ろうとした結果、また新たに僕が毒者である証拠が出てきてしまったのだ。
「これは…動画？」
「僕のあの写真を見てどうやら僕を知っていたのか、ポアロでの僕の声を録音して、配信の時の僕と比べようっていう動画ですね。特定が早いなぁ…」
声、話し方、抑揚、話す速度。何を取っても僕そっくりであり、もはや誤魔化そうにも王手をかけられた状態だった。
「という訳で英語を習おうと思うんですけど、どうですか」
「思考を放棄するんじゃないよ…」
だってどうしようもない、これは潔く諦める他ない。どうせ僕は顔出しする羽目になってなんやかんやで恨みを買われて、計画的犯行により殺害されて、犯人がコナンくん達の名推理によってバレ、事件は解決…アニメだったら2コマ、いや最悪1コマで終わってしまうんだ…
「どうせ死ぬなら犯人には分からないダイイングメッセージを遺して死にたいです」
「不吉な事を言わないでくれ」
「あと単純に同じ日本人なのに、安室さんとここまで英語力に差が出来てる事が悔しいです。…運動出来て頭良くて料理出来て英語も出来る…あれ、安室さんの青春って息してます？」
「…」
安室さんが不意に黙り込んでしまった。何だろ、学生時代めちゃくちゃ頑張ったのを思い出して噛み締めてるのかな。
「…君は、僕が日本人だと確信してるような口ぶりだね」
「違いました？」
「合っているよ。でも僕はこの通り、外国人に近い見た目だ」
「…それで？」
「…外国人だとは思わないのか」
「思わないですね。だって僕の初恋の女の子もハーフでしたし。外国人っぽい容姿ですけど、僕らと同じ日本人なんですよ。…安室さんも、あの子と同じ感じがしました」
「…そうか」
僕らの間で微妙な空気が流れる。僕は黙ってコーヒーを口に含んだ。
「…君の初恋の女の子は、どんな子だったんだい？」
「え、気になっちゃいます？聞いちゃいます？良いですよ、長話で良ければ！」
「いや、やっぱりよしておくよ」
「またまた〜、遠慮しなくて良いんですよ！」
「本当に良い」
安室さんは面倒臭そうに皿洗いをしに行った。
…あっぶね。なんとか言い逃れ出来た。
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想世(プロフ) - 乌罗伊利亚さん» コメントありがとうございます。ギャグは詰め込められる分だけ詰め込めたつもりなので、笑わせられたなら嬉しい限りです。 (6月27日 19時) (
レス) @page48 id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
乌罗伊利亚 - とても面白かったです 結構笑いましたw (6月27日 19時) (レス) @page22 id: 21b25aa0ce (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - あのさん» コメントありがとうございます。この度は私の勘違いによりご不快な思いをおかけし、申し訳ございませんでした。近日中に訂正し、直したものを改めて投稿しようと思います。 (2023年5月2日 17時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
あの - 東都タワーや東都水族館は “東京都“ にあります。毛利探偵事務所の住所は東京都米花市米花町です。東京でゼロと言う友達が出来たという台詞もあるのに、いまだにこんな勘違いしてる人いるんですね (2023年5月2日 17時) (レス) id: 7fdd3aee01 (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - 霜さん» コメントありがとうございます。気に入っていただけた上にそのようなお言葉まで頂けるとは光栄です。 (2022年5月27日 19時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：想世 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/
作成日時：2022年4月23日 0時
