小さな名探偵より ページ5
「コナンくんの分は、遥斗さんが自分の代金と一緒に払うから良いって」
「え？いつの間に…」
半額奢るという話は冗談だと思ってたオレは、安室さんの言葉に財布から取り出しかけた代金片手に気の抜けた声を出す。慌てて遥斗さんにお礼を言えば、手を振られたので振り返した。
中性的な顔立ちで、髪を亜麻色に染め、左耳に金色のピアスをつけ、常に大きめのショルダーバッグを身に付けたポアロの常連客だ。
いつもふざけた言動を繰り返すがその実、ポアロの従業員やマスターは彼にはあまり強く言えな…言え…
(いや、安室さんはむしろ目に見えて面倒そうにしてたような…)
…とにかく。
いい加減で人を食ったような食わせ者。それが彼だ。オレが江戸川コナンとして知り合う前から知ってたが、その時から印象は変わらない。初対面の時は物を落としたから拾って届けてもらった、ただそれだけだった。…ふざけた調子で自己紹介されたが。
コナンとして再会したのは、不運にも殺人事件が起きた時だった。
遥斗さん含めた四人がファミレスに集まり、そこで一人死亡した。たまたま近くにいたオレや安室さんで事件の解決に当たる事にしたが、オレ達が来た頃には犯人はほぼ特定されてた。
――遥斗さんの何気ない一言が、オレの近くで呟かれるまでは。
『アイツじゃないと思うんだけどなぁ…』
『っ！？』
驚いた。この場で一番彼は真相に迫っていた。
彼の言う通り、真犯人は別にいた。彼は警察が見つけた証拠をフェイクだと見破っていた。
どうして分かったのか。それを尋ねようとして彼に話しかけようとすると、彼は小さく独り言を漏らしていた。
『…ノック……い…だ…』
ノック。確かに彼はそう言っていた。その時安室さんのいる方向を向いていた。
(どうしてそれを…)
――安室透は、黒の組織に潜入する潜入捜査官だ。
彼以外にも存在するが、総じてノックと呼ばれる。何故彼がノックを知ってるか分からないが、彼は組織を知っているだろう。
さりげなく彼に独り言の内容を尋ねれば、曖昧に誤魔化された。
彼はその次の日から、"疑って下さい"と言わんばかりにポアロへ足繁く通って安室さんと話す。…良いぜ、暴いてやる。何が目的かは分からないが、もし組織の人間だったなら――…
(…そういえば前回もオレンジジュース、奢ってくれたような)
――ただ、彼が悪人では無いと、確証も無いのに思う。
それは希望的観測か、はたまた探偵としての勘なのか。
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想世(プロフ) - 乌罗伊利亚さん» コメントありがとうございます。ギャグは詰め込められる分だけ詰め込めたつもりなので、笑わせられたなら嬉しい限りです。 (6月27日 19時) (
レス) @page48 id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
乌罗伊利亚 - とても面白かったです 結構笑いましたw (6月27日 19時) (レス) @page22 id: 21b25aa0ce (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - あのさん» コメントありがとうございます。この度は私の勘違いによりご不快な思いをおかけし、申し訳ございませんでした。近日中に訂正し、直したものを改めて投稿しようと思います。 (2023年5月2日 17時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
あの - 東都タワーや東都水族館は “東京都“ にあります。毛利探偵事務所の住所は東京都米花市米花町です。東京でゼロと言う友達が出来たという台詞もあるのに、いまだにこんな勘違いしてる人いるんですね (2023年5月2日 17時) (レス) id: 7fdd3aee01 (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - 霜さん» コメントありがとうございます。気に入っていただけた上にそのようなお言葉まで頂けるとは光栄です。 (2022年5月27日 19時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：想世 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/
作成日時：2022年4月23日 0時
