春を眠らすケの遣い−�� ページ22
入り口に居続けるのも迷惑なので早々にいつもの席へ移動すると、メニューを開く。お絞りを届けに来た安室さんが近付いた。
「あれ、梓ちゃんは今日はお休みで？」
「いや、切れてしまった食材を買いに行ってもらっているよ。それより、今日はコーヒーじゃないんだね」
「…」
「いつもの君なら、四の五の言わずにコーヒーを頼む――…だが君は今こうしてメニューを開いて見ている」
「…」
「どういう風の吹き回しかな？気のせいか、落ち込んでるようにも見えるけど…」
「…」
「聞いてるのかい？」
「え、あ…すみません」
「まったく…聞いていなかったんだね」
「いえ、安室さんが一人で話してるのが面白くて放置してました」
「君、よく性格悪いって言われるだろ」
何でそう断言するかなこの人は。
ふふん、合ってるぜ。さっすがぁ！
「でも僕、視力も悪いんですよね」
「目より耳の方が悪いだろう、君」
「そういえば左ってどっちでしたっけ？」
「頭まで悪くならないでくれないかな」
「あ、さっき安室さんが話してた"落ちこぼれてるようにも見える"ってよくよく考えたら差別ですよね」
「やっぱり耳も悪いよね？」
賑やかな安室さんを置いて、再びメニューに目を通した。
彼の言う事は正しく、いつもならまず真っ先に頼むのはブレンドコーヒー。でも、さっきコーヒーで毒殺されかけた人を見たら飲む気だって失せるぜ。今日は別のを頼もう。
文字の羅列に目を滑らせ、候補をいくつかに絞る。
「カフェオレとカフェラテの違いがよく分からないんですよね。
「全然違うよ」
…む？安室さん、今若干目を見開いて反応してたな。そういえば彼の本名にあったか、零は。
「カフェオレはドリップコーヒーを、カフェラテはエスプレッソを使用しているんだよ」
「へぇ〜、じゃあオレンジジュースください」
「今までの会話は何だったんだい？」
肩をすくめて指摘する彼がおかしくて、噴き出した。渋々用意をしにカウンターの方へ行った安室さんを見送ると、急に眠気がやってきた。
…そういえば今日、あまり寝てないんだった…無理にでもコーヒーを頼むべきだったか。いやいや、でも…
「…ぐぅ」
あれこれ考えている内に、結局僕は机へダウンしてしまった。
Win睡魔、lose僕。おやすみ…
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想世(プロフ) - 乌罗伊利亚さん» コメントありがとうございます。ギャグは詰め込められる分だけ詰め込めたつもりなので、笑わせられたなら嬉しい限りです。 (6月27日 19時) (
レス) @page48 id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
乌罗伊利亚 - とても面白かったです 結構笑いましたw (6月27日 19時) (レス) @page22 id: 21b25aa0ce (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - あのさん» コメントありがとうございます。この度は私の勘違いによりご不快な思いをおかけし、申し訳ございませんでした。近日中に訂正し、直したものを改めて投稿しようと思います。 (2023年5月2日 17時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
あの - 東都タワーや東都水族館は “東京都“ にあります。毛利探偵事務所の住所は東京都米花市米花町です。東京でゼロと言う友達が出来たという台詞もあるのに、いまだにこんな勘違いしてる人いるんですね (2023年5月2日 17時) (レス) id: 7fdd3aee01 (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - 霜さん» コメントありがとうございます。気に入っていただけた上にそのようなお言葉まで頂けるとは光栄です。 (2022年5月27日 19時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：想世 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/
作成日時：2022年4月23日 0時
