脱線列車が参ります−�� ページ18
買い物を済ませて沖矢さんの愛車に乗ってから、よくよく考えてみれば男二人の食事が寂しい事に気付いた。
「沖矢さん、どうして僕を誘ってくれたんですか？」
「貴方とは是非、仲良くなってみたいと思ってたんですよ」
「すみません、僕は心に決めた人がいるので…」
「…？」
冗談なのか本気なのか、不思議そうな顔をされた。遠回しな同性愛ネタが通じない…成程、これがカルチャーショックか。
「よし、なら友達になりましょう！」
「ええ、喜んで」
「今のプロポーズみたいですよね」
「プロポーズでは無いですよね」
ようやくツッコミが入ったッ！…うーん、アニメでキッドが変装した沖矢昴なら、ノリ良さそうなのにな。"ジャンジャンバリバリ！"つって。まあもはや沖矢さんじゃなくてキッドだけど。
しかし、妙な達成感がある。目標に向けてまずは一歩前進したかのような…そうか、僕は彼と仲良くなりたいのか…！
「ふんふふんふんふんふーん」
「何故アメリカ国歌を…？」
「いえ、なんとなく」
仲良くなる秘訣として、まず相手の"好き"につけ込もう！…ん？彼はイギリス人だったような…まあいいや。
他に彼が好きなものと言えば…ああ、そうそう、酒のバーボンだっけか。
「沖矢さんってお酒は好きですか？」
「ええ、好きですよ。倉間さんもですか？」
「いえ、僕そんなに好きじゃないです」
よくよく考えてみれば、別にアルコール飲料は得意じゃなかった。これは失敗…！
次に思いつく、彼の好きなものと言えば…うーん、シャーロキアンだから、ホームズ？
「沖矢さんって本は嗜まれますか？」
「ええ、特に推理小説を読みますよ」
「そうなんですか！ちなみにどの探偵のを…？」
「主にシャーロック・ホームズですかね」
「僕もその人が好きなんですよ、友よ！」
「エルキュール・ポアロ派ですよね？」
しまった！ついポアロの口癖を…
「…聞いた通り、破天荒な方ですね」
「いやぁ、それほどでも」
「コナンくんが手を焼く訳です」
「いやぁ、それほどでも」
「褒めてはないつもりなんですけどね…」
手応え確認、これは距離が縮まったな。呆れられてるが、これも立派な友達戦略の一つだぜ。知らんけど。
おっと、彼に僕の印象を強く残せるように最後にアクセントを入れなくては。
「僕の名前は倉間遥斗と言います」
「知ってます」
――よし、これで沖矢さんはカンペキに僕を覚えただろう！
誇らしげに胸を張りながら、揺れる自動車に身を任せて工藤邸へと赴いた。
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想世(プロフ) - 乌罗伊利亚さん» コメントありがとうございます。ギャグは詰め込められる分だけ詰め込めたつもりなので、笑わせられたなら嬉しい限りです。 (6月27日 19時) (
レス) @page48 id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
乌罗伊利亚 - とても面白かったです 結構笑いましたw (6月27日 19時) (レス) @page22 id: 21b25aa0ce (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - あのさん» コメントありがとうございます。この度は私の勘違いによりご不快な思いをおかけし、申し訳ございませんでした。近日中に訂正し、直したものを改めて投稿しようと思います。 (2023年5月2日 17時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
あの - 東都タワーや東都水族館は “東京都“ にあります。毛利探偵事務所の住所は東京都米花市米花町です。東京でゼロと言う友達が出来たという台詞もあるのに、いまだにこんな勘違いしてる人いるんですね (2023年5月2日 17時) (レス) id: 7fdd3aee01 (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - 霜さん» コメントありがとうございます。気に入っていただけた上にそのようなお言葉まで頂けるとは光栄です。 (2022年5月27日 19時) (レス) id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：想世 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/
作成日時：2022年4月23日 0時
