嘘つきな彼。3

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あっという間に名古屋に着いて


私と違って仕事が出来る北山さんは


トラブル処理も取引先回りも


スムーズに終わらせた。


気づけば夜の8時を回っていた。






北「うわ、もう8時じゃん。

腹減ったな！飯食べに行こうか」



「はい」





北山さんは本当に気さくで柔らい。


人当たりも良いし優しい。







北「んー何食べる？」



「そうですね〜」




北「あ〜もう、腹減った。

ここにしよ、腹減って動けねぇー」







たまに見せる無邪気なとこ。


可愛いなぁって思う。




って、また私ったら。


恋は盲目。


周りが見えなくなるって本当なんだ。








とりあえず、店入って


今日はお疲れ様と乾杯。





北「よし、明日も取引先回ってから帰るのかー。

って俺について来ても勉強にならないだろー？

ごめんなー」




「いえ、そんなことないです。

今日もスムーズに進んですごいなって思いました」



北「…いや、うわ、なんか照れるな。恥ずかしい」






笑いながら話してくれる北山さん。


きっと誰よりも努力してんだろうなって。


普段はチャラそうなのに。




今日、1日一緒に仕事して


そう思った。







北「あ、携帯鳴ってるよ？」



「え？」






テーブルの上に出してたスマホが


バイブレーションで音を立てた。


画面を見れば、彼からの着信。






「……」



北「…電話出なくていーの？」



「…あ、はい。ちょっと出て来てもいいですか？」


北「ん？いーよー」






スマホを握りしめて


店の外に出た。

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