嘘十二つめ。 ページ13
*
その後、出久はボール投げで７０５.３ｍという大記録を叩き出した。
それを見て、一人。過剰に反応を見せた爆発したようなツンツン頭の人物。
堅物そうな眼鏡の人としていた会話を聞くに、話が噛み合っていなかった。
つまり、今までの出久の認識が彼の中で覆されたのでは。と虚は思案する。
今の記録で彼が無個性でない事は確か。
しかし、あの人は彼を゛無個性のザコ゛と称した。
あの口振りからすると、彼は出久の昔馴染み。
もしくは中学からの同級生だと推測出来る。
……という事は、イズくんは彼の前で個性を隠していた?
だけど、一週間程度ならともかく。そう何年も隠し通せるものだろうか。
最近、個性が目覚めた?
個性の認識が間違っていたという事例はある。
だけど無個性が急に開花したという事例は聞いた事が無い。
……個性を゛誰か゛から貰った、あるいは。受け継いだ?
まさか。非、現実的だ。
その事は彼が出久に掴みかかろうとして、うやむやに。
ちなみにその騒ぎ中に発覚したことなのだが、相澤はドライアイらしい。
視た者の個性を消す。
虚にとって、とても厄介な個性である。
「凄いのに、ちょっとだけ残念ですね」
「よく言われる」
生徒のほぼが思い、口にしないようにとした事を平然と本人に告げる虚。
強い、というか。何というか。
「沫嘘。お前、緑谷のアレなんとか出来るだろ」
「イズくんの指の腫れですか？出来ますよ、おちゃのこさいさいです」
「やってやれ」
相澤の声に「はーい」と返事をして、出久に駆け寄る。
出久の指は大きく膨れ上がっており、見ているこっちも痛々しかった。
「はい、イズくん。手を出してください」
「え？う、うん……」
「ありがとうございます。ちちんぷいぷい、イズくんの傷を『なかった』ことに！」
素直に手を前に突き出す出久。
虚は腫れ上がった出久の指を魔法をかける様に撫でるような仕草をした。
「！？……な、治った？？！」
「すげぇ…一瞬だった…」
「んふふ、虚ちゃんマジックです。どうです？驚きました？」
パッと治ってしまった傷と虚を見比べ、周囲はざわざわと騒めき出す。
出久は目を白黒させて、治った傷をじっと見つめていた。
「おい、時間がもったいない。次、準備しろ」
そう言う相澤の言葉ですぐ、その騒めきは消されてしまったけれど。
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はむ(プロフ) - 言葉選びが好きです、 (2021年8月26日 0時) (
レス) id: 9bb4746f4d (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - 莉兎さん» 私の小説で楽しんでいただけて何よりです〜！！更新遅いですがコツコツ頑張っていくのでよろしくお願いします(｀・ω・´) (2018年7月22日 3時) (レス) id: 1bdc6616c8 (このIDを非表示/違反報告)
莉兎 - 凄い続き気になります、、、！めっちゃ楽しい(((o(*ﾟ∀ﾟ*)o)))、、！ (2018年7月10日 22時) (レス) id: 8e6cda3aa7 (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - 血華さん» わーっ！これからもドキドキできるような小説を書けるように精進します！応援、ありがとうございます〜！ (2018年4月4日 5時) (レス) id: 1bdc6616c8 (このIDを非表示/違反報告)
血華 - 凄く面白かったです！読んでいてドキドキしました！これからも応援してます！ (2018年3月31日 1時) (レス) id: d91252218e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白雨 | 作成日時：2016年8月17日 9時
