#108 名前だけ ページ29
.
「あ、来た来た」
他愛もない話をしていると
ふとニノくんが私の後ろを見てそう言った。
「なんだよ急に呼び出して」
「いや〜暇そうだったからさ」
振り返ったら松本くんがいた。
目が合うときょとんとした表情で会釈だけしてくれた。
...松本くん呼んだの?
「AさんからなんでLINEが来たのかと思ったけどそういうことか」
「そうそう。ビックリした?」
「そりゃしたよ」
苦笑いながら、松本くんがニノくんの隣に座る。
改めて"誕生日おめでとう"と言うと、爽やかな笑顔で"ありがとう"と言われた。
...やっぱりイケメンさんだ。
「誕生日同じなんだからもっと仲良くなりなよ」
「えっ!?」
ニノくんが私を見て笑いながらそう言うと
松本くんが驚いたように目を見開いた。
「Aさん、今日誕生日なの?」
「う、うん」
「おめでとう! 先言ってよ〜なんか持ってきたのに」
「い、いいよ! 松本くんも誕生日なんだから!」
私だって何も用意してないし...
お互い様だよ
.
「会計はニノちゃんが払いますよ」
「え、あ、ありがとう...」
バチリとニノくんがウインクをしながらそんなことを言う。
...そのキャラ、何?
「チビちゃん、元気出た?」
「へ? ...私元気だよ?」
「...翔ちゃんのこともう忘れたの?」
「...あ」
...そういえば
櫻井の話するために会ったんだったっけ。
...ちょっと忘れてたかも
「あ、家まで送ってくよ」
松本くんがサラリとそう言う。
遠慮したけど、"いいから"と松本くんが先に歩き出してしまった。
...ジェントルマン、だなぁ...
本当、申し訳ないんだけど...
ニノくんは、何故かニヤリと笑いながら
"俺は予定あるから〜"と先に帰ってしまった。
とはいえ、最寄り駅だからすぐ家に着くんだけどね...
「...あ」
「ん?」
なんて思いながら歩き出すと
目の前の駅から見覚えのある後ろ姿が出てきたのが見えた。
.....櫻井、だ。
なんとなく、ピタリと足を止めてしまって
隣の松本くんが不思議そうに首を傾げていた。
...どこか遊びに行ってたのかな
「...あ、櫻井翔だ」
「え」
私がじっと見ていたからか
松本くんも同じ方を見て、そしてポツリと呟く
...え?
「...松本くん、櫻井のこと知ってるの?」
「名前だけね」
そう言いながら、松本くんもじっと櫻井のことを見ていた。
...他校なのになんで知ってるんだろ?
.
ラッキーカラー
あずきいろ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1672人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にゃんちき(プロフ) - もうすぐ終わると思うと寂しくなってしまう(笑)もうちょっと主人公ちゃんにぐずぐずして欲しい気もするし、先の展開も気になる。我が儘な読者ですみませんm(__)m次回楽しみにしてます！ (2019年2月12日 19時) (
レス) id: 64ed16a329 (このIDを非表示/違反報告)
りりい(プロフ) - ドキドキしながら楽しみに待っています！！！！！テスト頑張ってください♪ (2019年2月11日 12時) (レス) id: 02295b7ebb (このIDを非表示/違反報告)
sakura(プロフ) - いよいよ結末に向かうんですね。毎回ドキドキしながら読ませてもらってたので寂しいけど待ち遠しくもあります。主人公ちゃん今まで冷たくされてた分翔くんにたっぷり甘やかされるとこが見たいな〜なんて(*^^*)どうなるのか楽しみにしています！ (2019年2月11日 1時) (レス) id: 3edecb291f (このIDを非表示/違反報告)
よっぴ(プロフ) - ほんっとに面白いです！結末がどんなになるか気になりますけどまだ終わってほしくないと思っちゃいます（ ; ; ） 更新楽しみにしてます！！ (2019年2月4日 3時) (レス) id: e4bb881f7f (このIDを非表示/違反報告)
松本なお - sakuraさん» ありがとうございます！二人の会話好きと言っていただけるのは嬉しいです(>∀<) 自分も割と好きなので笑 甘い翔くんが見れるのはいつになることやら…のんびりお待ちくださいませ。 (2019年1月27日 5時) (レス) id: 8b96e774f8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あんでぃー
| 作成日時：2019年1月1日 4時
