#93 置いて ページ13
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「人の話を無視すんな」
「ごめん...」
「.....腹でも減ってんのか?」
「え、いや...」
...私のイメージ、そんな食いしん坊かな...?
...それこそ、子供みたい
「...それでえっと...なんだっけ?」
「......ちょっと飲み物買ってくるから、そこ動くなよ」
「え、分かった...」
そう言って、櫻井は立ち上がって
人の波に消えていった。
...飲み物...ね
本当かな...?
私と一緒にいるのが嫌だからどっか行ったんじゃないの?
私が子供みたいにはしゃぐから。
もっとほかの女の子の方がいいって
....そう思ったんじゃないの?
ギュッと締め付けられるように胸が痛くて、
ただ静かに花火を見上げることしか出来なかった。
.
..
「ど、どうしたの?」
「足痛くて...」
「え、大丈夫!?」
知らない声だけど、なんだかすぐ近くで聞こえたから
何気なくそちらの方を見た。
目の前には同い年か年下くらいの、男女。
浴衣を着た女の子は痛そうに顔を歪めて
隣にいる心配そうな表情をした男の子を掴んでいた。
...慣れない下駄で足を痛めたのかな?
私みたいに。
「...あの、良かったらここ座ります?」
「え?」
二人が座るだけで精一杯の小さな段差。
私がいなければ二人が座れるし
座ればそれだけでこの女の子も楽になると思う。
そう思って、立ち上がった。
私ももうそこまで足は痛くなかった。
"ありがとうございます"と小さく頭を下げられたから、
私も軽く会釈をしてその場を離れた。
...どうしようかな。
もう足も痛くないし、歩きながら花火見ててもいいかもしれない。
...一人で見るならどっちも変わらない気がした。
櫻井に、"そこ動くなよ"って言われたけど
飲み物買うだけにしては帰ってくるの遅いし
...どうせすぐ戻ってきたりしないよ。
また少しギュッと胸が締め付けられる。
...櫻井のことを考えるとずっとこうで
櫻井の行動一つで一喜一憂して。
...まだ、櫻井のこと好きなのかな、私。
でも、どうしたらいいかわかんないよ。
だって、ずっと櫻井は私を置いて行ってしまうんだもん。
「おい」
締め付けられる胸が痛くて
なんだか泣いてしまいそうになって。
パシッと後ろから腕を掴まれて
...聞きなれた不機嫌な声がした。
「動くなっつったろ」
振り返ったら、いつも通りの不機嫌に睨む櫻井がいた。
...だって、櫻井は
私の変わらなさに嫌気がさして
私を置いてどこかへ行ってしまうんだと思ったんだもん
.
ラッキーカラー
あずきいろ
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にゃんちき(プロフ) - もうすぐ終わると思うと寂しくなってしまう(笑)もうちょっと主人公ちゃんにぐずぐずして欲しい気もするし、先の展開も気になる。我が儘な読者ですみませんm(__)m次回楽しみにしてます！ (2019年2月12日 19時) (
レス) id: 64ed16a329 (このIDを非表示/違反報告)
りりい(プロフ) - ドキドキしながら楽しみに待っています！！！！！テスト頑張ってください♪ (2019年2月11日 12時) (レス) id: 02295b7ebb (このIDを非表示/違反報告)
sakura(プロフ) - いよいよ結末に向かうんですね。毎回ドキドキしながら読ませてもらってたので寂しいけど待ち遠しくもあります。主人公ちゃん今まで冷たくされてた分翔くんにたっぷり甘やかされるとこが見たいな〜なんて(*^^*)どうなるのか楽しみにしています！ (2019年2月11日 1時) (レス) id: 3edecb291f (このIDを非表示/違反報告)
よっぴ(プロフ) - ほんっとに面白いです！結末がどんなになるか気になりますけどまだ終わってほしくないと思っちゃいます（ ; ; ） 更新楽しみにしてます！！ (2019年2月4日 3時) (レス) id: e4bb881f7f (このIDを非表示/違反報告)
松本なお - sakuraさん» ありがとうございます！二人の会話好きと言っていただけるのは嬉しいです(>∀<) 自分も割と好きなので笑 甘い翔くんが見れるのはいつになることやら…のんびりお待ちくださいませ。 (2019年1月27日 5時) (レス) id: 8b96e774f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんでぃー
| 作成日時：2019年1月1日 4時
