嘘コク野郎を落とす方法7【桃】

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「じゃあせいぜい頑張れば？ あの子手強そうだし。
どうせまだ手も出してないんでしょ？」


「大事にしたいんだよ。 がっついて怖がらせたくない……」


そう言ったら思いっきり笑われた。


「信じられない。 まるで別人じゃない」


「うるせーよ」


俺もベンチから立ち上がり向かい合う。


「あのさ、さとみ一つだけ間違えてるよ」


「は？」


「私さとみのこと好きだよ。
本当は別れてから他の人と付き合ってもずっと好きだった」


「悪いけどその気持ちには応えられない」


「もう分かったって！ そんなに何回もフラないでよ。
さとみもフラれないように頑張りなよ」


「シャレになってねーよ」


俺の言葉にもう一度笑うと、美玲は公園の出口に向かって歩き出した。


「じゃあね……、バイバイ」


「ああ、じゃあな」


走って去っていく後ろ姿を見送って、俺はスマホを取り出した。


発信履歴の一番上にある大切な名前をタップする。


「……もしもし、Aちゃん？ 全部終わったよ」


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