十七話 ページ19
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鈴木様の一言で、意識し始めてしまった。それでもなるべく意識しないように、というか今は仕事に集中、と自分に言い聞かせて、他のお客様への対応をする。
視線を感じて顔を上げれば先程より少し離れた距離にいる彼と目が合う。恥ずかしくて堪らない。でも彼もお客様だ、不快な思いをさせてはならない、と咄嗟にぎこちなく笑顔を向けてすぐに目の前のお客様に向き直った。
…顔、赤くなってるよ絶対。化粧で誤魔化せてればいいけど。
一服してきます、という言葉に顔を上げると店の外に出ようとする姿が見えた。
煙草、吸うんだ。前に来た時は吸ってなかったと思い、手元に置いてある手帳にメモした。
彼が戻ってくる前に鈴木様に呼ばれ、再び会話を始める。
「Aちゃん、アイツどうや？」
『ふふ、またその話ですか？』
「ぴったりやと思うんやけどなぁ…」
『先程も言いましたけど、私なんかには勿体無い方だと思いますよ。』
この店柄、お客様の大半は年配の男性で、そのお客様から「うちの息子とお見合いしてくれ」と頼まれる事は少なくなくて。
最初は戸惑ってたけど女将さんからのフォローもあって躱し方を覚えた。
ただ本人を目の前に言われると話しは別だ。いままでの鈴木様からの言葉を信じるのであれば、仕事が出来て、チャラチャラ遊んでるような人ではない。そして本人を見ていればそれが本当なのもわかる。
あまり喋らないけどちょっと高めな声と、仕事に対する熱意。そして何より整った顔立ちと細身のスーツ。これは多分、本人にその気が無いだけで言い寄ってくる女性は多いんじゃないか。
私なんかが近付けたところで、釣り合わないのは一目瞭然だ。彼等は私の仕事しているところしか見てない。
第一、ゲーマー女子(という年齢でもないけど)ってだけで男性には一歩引かれる。
それに地声を合わせたら一発アウトで恋愛対象外になってしまう。
最後に恋愛したのいつだっけ、と大昔の事をぼんやりと思い出しながら、彼が店内に戻ってくるのを見ていた。
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黒月（ﾌﾞﾗｯｸﾑｰﾝ）(プロフ) - 続編ありがとうございます！最初の台詞なんですけど、、、エミさんでは？敬語やし、納得っていうのは前からの知り合いだから、、、と思ったんで。続編も更新がんばれください←（くださいって付いてるから敬語と信じて、、、） (2019年5月27日 23時) (
レス) id: 75155c2af0 (このIDを非表示/違反報告)
yanochin(プロフ) - キョウヤさん» コメントありがとうございます！共感していただけて嬉しいです！頑張ります！ (2019年5月27日 23時) (レス) id: 2c796d6a97 (このIDを非表示/違反報告)
キョウヤ - 主の気持ちなんかちょっとわかる。自分も声低いのちょっとコンプレックスだから。この小説面白いっす!頑張ってください! (2019年5月27日 23時) (レス) id: 665ea8b906 (このIDを非表示/違反報告)
yanochin(プロフ) - HAKU猫の夏さん» コメントありがとうございます！頑張ります！！ (2019年5月27日 20時) (レス) id: 2c796d6a97 (このIDを非表示/違反報告)
HAKU猫の夏(プロフ) - あ。なんか好きっす、頑張れください。 (2019年5月27日 20時) (レス) id: 1e7a204824 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yanochin | 作成日時：2019年5月12日 0時
