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「ここが貴方のお店…?」
「あ、そういえばまだ名前言ってなかった!
僕ったらうっかりさん☆
僕は飴村乱数って言うんだ!
乱数って呼んでね♪
オネーサンの名前は?」
「乱数さん…
私は…雛罌粟 Aです。」
(雛罌粟?あの大手企業の社長も同じ苗字だったか?
いやでも、娘がいるなんて聞いた事ないな…
後で調べてみるか…)
「Aちゃんって言うんだ〜!
可愛い名前だね♪
じゃあAちゃんに似合う服探してくるから、ここで待っててね〜!」
「あ、乱数さん?!」
そう言ってスキップしながら店内の奥に行ってしまった。
一気に手持ち無沙汰になってしまった私は
大人しく待つことにする
「でもこのお店、どの服も可愛いのばっかり…」
自然と店内を物色し始めてしまう。
わぁ、このスカート可愛い!
昨日シブヤにいた子もこんなスカート履いてたなぁ
あ、このデニムもカジュアルだけど色味絶妙に可愛い
このパーカーオーバーサイズだけど紐がレースなんだ!
カジュアルだけどちょっとガーリーにも着れそう…
「服を見るのってこんなに楽しいんだ…」
「でしょでしょ〜!
僕の服でその感覚を知って貰えるなんて嬉しいな!」
「ひゃ!ら、乱数さん…
ごめんなさい、私ったら待っててって言われたのに!」
「全然だいじょぶだよ!待たせてゴメーンね!
Aちゃんに合いそうな服選んできたよ!
ささ!試着室で着替えて着てね〜♪」
服と一緒に試着室に入った私は
大人しく着替える事にした。
一着目はそのシャツとスカート履いてね〜
と外から乱数さんの声が聞こえ
はい、と短く返事を返した。
ん?一着目?
よく見ると6,7着はあった
こんなに探してくれたの?!
しかも全部可愛い…
いそいそと服を着脱し
全て着替え終え鏡を見ると
「わ、可愛い!」
いつも決められた系統の服しか着てこなかった私は
似たような系統でもこんなに違うものかと感銘を受けた
「乱数さん!これ可愛いです!」
勢いよくカーテンを開けると乱数さんはニコニコしながら立っていた
「わぁ!やっぱり似合うね!
Aちゃんに会った時からこの色と形合いそうだと思ってたんだぁ☆
よし!どんどん着てみよー!」
「はい!」
人から褒められるなんてほとんど無く、ましてや
オシャレなんて縁がなかった私は
楽しすぎて1時間はこれを繰り返した。
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作者名:1/4 | 作成日時:2021年3月28日 23時