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夜の街を歩くのは二回目だ。
夕方でも賑わってたシブヤは流石に静かになりつつあった。




「所で一番近いコンビニって何処だ…?」



辺りを見回すもコンビニらしき物は無い
散策ついでにこの辺りも観察しておこう。





「ここって、公園…?」



少し歩くと
人のいない公園が目に入る



子供の頃、一度遊んでみたかった場所だ。
私はつられるように公園に入っていく


ブランコ、シーソー、ジャングルジム、砂場


様々な遊具がある中、私はブランコに腰掛けてみた




「これで前後に揺らすんだ…」



地面に足を付けたまま少し揺れてみるとなんだか
心地よかった。





「アンタ、何してんだ?」



「っ、きゃ?!」



誰もいないと思っていた筈だが
いつの間にか近くのベンチに座っている男性


驚いた私はバランスを崩し、尻もちをついてしまった





「いたた…」



「だ、大丈夫か?

わりぃ、そこまで驚くとは思わなかった。」



男性は慌ててこちらに向かい
手を差し伸べる


この年で尻もちをついたことに羞恥心を感じつつ
有難く手を取った

グイッと腕を持ち上げられ、そのまま立ち上がる



「…ありがとうございます、
いつからそこに?」



「俺はずっと居たぜ?アンタが公園に入った時から」



つまり一部始終か…



「こんな時間に女が1人でなにしてんだよ?
しかも見た感じ成人して無さそうだし。」



「ちょっとコンビニ行こうと思っていて…」



「ここはコンビニじゃねーぞ。」



「わ、分かってますよ!
初めて公園に入ったから、ちょっと遊んでみたくなったんです…!」



初めて、という言葉に少し不思議そうな顔をするも
そーかよ。楽しかったか?と口角をあげて聞かれる



「まぁ、はい。」



「そりゃ良かったな!所で、アンタコンビニ行くって言ってたけど…
飯買いに行くのか?」



「へ?そ、そうですけど…」



その瞬間男性の目がギラつき
なんだと思ったらそれはそれは綺麗な土下座をしてきた



「俺にも飯を恵んでくださーーーーい!!!!

もう二日くらい飯食ってないから腹減りすぎてくたばりそうだぜ!」




二日も?!と驚きつつ
今が夜で良かったと心底思う。

公園で男の人に土下座されてるって
どういう絵面よ…



「あぁもう、わかりましたから
土下座やめてください!」



「まじ?!お前良い奴だなぁ!!」



なんか変な人に懐かれた…

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作者名:1/4 | 作成日時:2021年3月28日 23時

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