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「今日楽しかったなぁー」




昨日と同じホテルに戻った私は
小さなデスクにノートを広げ
箇条書きで書いた目標に斜線を引いた



あの後乱数は誰かからの電話を取って
ごめんねAちゃん、僕呼び出し喰らっちゃった〜
って言ってそのままお開きになった


しっかり連絡先だけ交換して





「そういえば…」




ノートをしまった私は一冊の本を取り出した



貰った本読んでなかったな
今日はまだ時間あるし、読んでみよう。
ペラ…と捲るとタイトルはStellaと書いてあり
作者を見ると



「えええ?!これ、夢野幻太郎?!」




う、うそ!あの時のカフェの人って…
夢野幻太郎だったんだ…



次のページを捲ると物語は始まった




【どこかで星が流れた。


それは手繰られる様に 夜の縁をなぞった


焼け落ちた剣の星で王様が


右側が水晶、左側が砂の星で山賊が


光り方を忘れた隅っこの星で科学者がーーー


ふと、同じ流星仰いだ


物語の切れ端を乗せた船は 瞬きの隙間を縫って


ーーーー飛び去った。】





登場するのは三人、王様と盗賊
そして科学者だ

バラバラだった三人は一つの場所で出会い

それぞれが願う"再び"を
三人が重ね合わせ歩みを進める物語




「奇跡は歪な方が輝く…か」




この人の小説は毎回不思議だ
嘘のような本当のようなどっちつかずだ。


あっという間に読み終わってしまった本を机に置いて
軽く伸びた。

時間を見るとすっかり夜だった



「もうルームサービス終わってる…」



仕方ない。何か買いに行こう
コンビニくらいなら開いてるだろうし。



財布と携帯だけを小さいカバンに入れて
再び私は外へ出た

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作者名:1/4 | 作成日時:2021年3月28日 23時

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