【東リベ】泣き虫のヒロイン②【武道成り代わり】 (ページ49)

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９７話ページ49

ＮＯ side

ヒナ「勇気出したのにな……」

ｷﾞｭﾙﾙﾙﾙｯ

ヒナがAを車で待っていると、後方からタイヤの擦れる音が鳴り響いた。

ヒナ「？……え？」

ヒナが後ろを確認すると車を後ろからライトで照らすトラック。

『ヒナ！！！！！』

ｽﾞﾄﾞﾝ

Aが駐車場に辿り着いたと同時に、ヒナが乗る車にトラックが後ろから衝突して来た。

『っヒナぁぁぁあ！！！！』ﾀﾞｯ

「A？」

『！？』

「オ"マエ…なんで…
なんでオマエが乗ってねぇんだ？」

Aがヒナのもとに駆けつける前にトラックの中から聞き覚えのある声がAの足を止めた。

『ウソだ…なんでここに…！？

アッくん！！！』

敦「"A、いつからこうなっちまったんだろな"」

『はぁ……はぁ……』

敦「"オレは今や稀咲の兵隊だ
東卍の奴らはみんな稀咲の言いなり"」

『(前と同じこと言ってる！？)

なんでアッくんがヒナを…！？
美容師でしょ！？東卍なんて関係ないはずでしょ！！？』

敦「"怖ぇんだよ、ただひたすら…稀咲が"」

『…やめてよ』

敦「"みんなを助けてくれ…

………泣き虫のヒーロー」

『やめてよ！！前にも聞いたよ！！！
同じじゃん！何も変わってねぇじゃん！！！

変わったハズでしょっ！！！！？』

ドォオンｯｯ!!!

トラックの電線がガソリンに移ったのか、アッくんを乗せたままトラックは大きな爆発を起こし炎上した。

『…はぁ…はっ……ヒナ！！』

火はまだ前に押しつぶされている車には移っていなかった。

『ヒナ！！！！』

ヒナ「…っ」

『(生きてる！！！)

待ってて！！今絶対出してあげるから！！
ヒナ！！！

火が回ってくる！！！早くここから出なきゃ！！』

ヒナ「はぁ…はぁ………Aちゃん」

『ヒナ！喋ってる暇無いんだ！！こっちも爆発しちゃう！！！』

ヒナ「ありがとう」

『そんなの後でいいから！！！早く！！！』

Aは必死にヒナへ手を伸ばすが、ヒナは一向にその手を取ろうとはしなかった。

ヒナ「無理だよ……」

『え？』

ヒナ「足の感覚が……もうないの」