はじまる初恋 (ページ20)

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優しい手ページ20

『井田先輩は、カラオケよく来るんですか？』

「いや、全然…」

「おーい！そこの2人も歌えよー！」

「いえーい！」

何故私が井田先輩とカラオケ来ているのか…

遡ること1時間前。

「Aさん、呼ばれてるよ〜」

放課後。帰る準備をしているとクラスメイトがそう声をかけてくれて、教室の出入り口を見るとひょっこり顔を覗かせている青木先輩がいた。

『青木先輩！どうしたんですか？教室まで来るの珍しいですね。』

「今日はお誘いに来ました！これから暇？」

『暇ですけど、お誘いとは？』

「カラオケ行こう！もちろん井田もいるよ！」

カラオケかぁ。正直そんなに歌が得意ではないからあまり行かないけど。

でも井田先輩がいるなら…

『行きます！』

「おっけー。じゃあ俺らもすぐ行くから校門の前で待ってて！」

『わかりました！』

これから井田先輩と遊べる。きっとこんなチャンスなかなかないよね！！
はやる気持ちを抑えて急いで帰る準備をした。

ちょっとだけいつもよりしっかり目にリップ塗っておこう…