はじまる初恋 (ページ21)

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そして今。

今日カラオケに来ているメンバーは井田先輩、青木先輩。
そして何度か青木先輩と話している時に顔を合わせたことがある相多先輩と橋下先輩。

七海も誘ったけど予定があるってことで不参加。

女1人になるところだったから橋下先輩も来てくれてよかった…

急遽体育館の点検で部活が休みになった井田先輩の隣でみんなの歌を聴きながら、合間合間に会話をかわす。

『いつもこの4人で遊んだりするんですか？』

「いや、学校外で遊んだのは今日が初めて。」

『そうなんですね。私だけ1年生で、来て迷惑じゃなかったでしょうか…』

「全然」

音が大きいから話す時に少しだけこちらに耳を近づけてくる井田先輩にドキドキしっぱなし。

「Aさんは…」

『あ、ごめんなさい！もう1回！』

よく聞き取れなくてほんの少し距離を詰める。すると、前を見ていた井田先輩の顔がこちらに向いた。思ってた以上に近くて息がとまる。

「Aさんは青木とすごく仲が良いんだね。」

『えっと…そうですかね？』

なんだろう。少し言葉にトゲがあったような。

いや、勘違いか。

なんとも無かったかのように井田先輩はジュースを飲んだ。

『私お手洗い行ってきますね』

「おう」

何となく居心地が悪くなって席を外すことにした。
一旦一息つこう。