はじまる初恋 (ページ11)

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知ることページ11

『せ、先輩！」

「ん？えぇっと…」

「井田知り合いか？」

「いや、多分知り合いじゃない。」

「多分ってなんだよ。」

まずい。
どうやらお友達も一緒だったようだ。

彼にしか目がいってなかった。

「おーい、大丈夫？そのリボンの色1年生だよね？」

彼、ではない方の先輩が私の前で手をヒラヒラさせていた。

『あ、えと…その…』

「井田になんか用があるんじゃないの？」

『い、だ？』

「うん、井田。」

『井戸の井に、田んぼの田ですか…？』

「え、うん…だよな？」

「あってる。」

井田先輩っていうんだ。
井田、こーすけ…かっこいい…

って！！！！

目の前の2人ともすごく不思議そうにこっち見てる！

そりゃそうだよね。
話しかけてきたと思ったら名前の確認だもんね。

あぁ、どうしようこの状況。

「俺いない方がいい？」

井田先輩の友達は何かを感じ取ったのか、こそっと私にそう言った。

『いえ！そんな！えと…』

この状況で追い出すのは流石に申し訳なさすぎる。
早くお話しなければと井田先輩を見た。

キョトンとした顔でこちらを見る井田先輩。

だめだ。くらくらしそう。

『井田、先輩…』

「うん、どうした？」

『その節はありがとうございました！私AAといいます！以後お見知りおきを！！！では、お邪魔しました！！！』

くるっと身体の向きを180度変えて足速に歩いた。

やった！やったぞ！
井田先輩とお話した！！！