はじまる初恋 (ページ10)

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『失礼しました〜』

先生の机が分からずうろうろしていたら
オープンキャンパスの日に見たバレー部顧問の渋かっこいい先生。
谷口先生が教えてくれた。

優しくて穏やかそうな谷口先生。
一瞬で好きになった。生徒から人気だろうなぁ。

谷口先生とお話できただけでも職員室に来た意味あったな〜なんて思ったり。

先程とはうってかわってるんるんしながら廊下を歩いた。
このあとは体育館にも行けるし。はやく七海と合流しなきゃ。

角を曲がった。

そして…

来た道を引き返した。

廊下の角にしゃがみ込んで頭を抱える。

彼がいた。

廊下の向こうから歩いてくる。

その距離は5mかもう少しあるか。

でももうすぐこの角を曲がってくる。

どうしようどうしよう
心の準備ができてない

そればかりが頭の中をぐるぐる周っている。

その時七海の言葉が頭をよぎった。

「この8ヶ月先輩への想い温めてきたんだから勇気出して！この先も温め続けるつもり？」

私という存在を認識してもらう。
今がチャンスだ。

あと数秒後彼がここに来る。

頑張れ、私。

立ち上がって息を大きく吸い込んだ。