36話 ページ36
「あ──よかったね」
「弟ったら、もう興奮しちゃって!グリフィンドールになるといいな!ねえ、そう祈っててくれる？ハリー？」
「あ──……うん、いいよ」
ぴょこぴょこと落ち着かないコリンにハリーが貼り付けた笑顔でそう言った。
「……兄弟って、だいたい同じ寮に入るよね？」
ウィーズリー兄弟も、家族同然のAも、八人ともグリフィンドールに入ったのだ。
デニスもきっとグリフィンドールに入るはず──……。
「あら、違うわ。必ずしもそうじゃない。パーバティ・パチルは双子だけど、一人はレイブンクローよ。一卵性双生児なんだから、一緒のところだと思うでしょ？」
「……コリンの弟が極端に臆病とかじゃなきゃいいけど」
教職員のテーブルでは、いつもより空席が目立った。
ハグリッドは一年生の引率。マクゴナガル先生は多分ピーブズが水浸しにした玄関の掃除を指揮しているだろう。
もう一つの空席は──……
「"闇の魔術に対する防衛術"の新しい先生はどこかしら？」
「この授業の先生って、一年以上続いた試しがないよな。あんな良い先生だったルーピンだって辞職しちゃうんだから……」
「多分、誰も見つからなかったのよ!」
ハーマイオニーの心配そうな声にハリーがもう一度教職員のテーブルを見る。
呪文学のフリットウィック先生、薬草学のスプラウト先生、天文学のシニストラ先生、さらにその隣が──ハリーのことが大嫌いな魔法薬学のスネイプ先生だ。
自分から何かした覚えは無いのだが、ハリーは入学初日からスネイプに嫌われていた。
これ以上強くなりようがないスネイプの憎しみは、何故だか年々酷くなっていく。今年も魔法薬学での減点は覚悟した方がいい。
万が一にもスネイプと目が合わないように教員席をチラリと見ると、シニストラ先生がこっちに小さく手を振っていた。
その隣でフン、とそっぽを向いて、シニストラ先生にクスクスと笑われているスネイプ。
『あー!!また無視された』
「照れてるんだよ」
『うそ……あの顔で……？』
生徒の席から手を振っていたのはAだ。
Aは天文学が好きだからシニストラ先生と仲が良いし、大抵の先生と仲が良い。あのスネイプとでさえ。
『……私のこと嫌いなのかな』
「いや、そんな訳ないよ」
深刻そうな顔の彼女に反して、ハリーは小さく笑ってしまった。
スネイプはグリフィンドールの彼女から滅多に点を引かないし、授業でどんな失敗をしても罰則を受ける所は見たことがない。
むしろ、世紀末レベルで嫌われているのは僕の方だ。
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とま(プロフ) - 平野澪さん» コメントありがとうございます❕気長にお付き合いいただけると嬉しいです…!! (2022年7月8日 1時) (
レス) id: d352a8403d (このIDを非表示/違反報告)
平野澪(プロフ) - 面白かった！！！！ (2022年7月7日 19時) (レス) @page50 id: 46f0f08380 (このIDを非表示/違反報告)
とま(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます❕嬉しいです…!!頑張ります🔥 (2022年6月3日 1時) (レス) id: 168ae22990 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - これすっごく面白いです！！ 続き楽しみにしてます！ (2022年6月1日 20時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
とま(プロフ) - to_mi_ta_20さん» コメントありがとうございます!!すごく嬉しいです…!!更新が本当に遅いですが、最後まで完結させるつもりなのでお付き合い頂けると嬉しいです❕ (2022年5月23日 22時) (レス) id: 168ae22990 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とま x他1人 | 作成日時：2022年5月6日 15時
