91話 ページ41
「ゴイルの指に残りし傷痕よ、スキャバーズの想い出と共に永遠なれ──さあ、さあ、ロン、ホグズミードに行って新しいネズミを買えよ。めそめそして何になる？」
『ああ、ロンがそんなに悲しそうだと私も悲しくなってきちゃう……』
そう言ってわざとらしく両手で顔を覆ったAにハリーがギョッとした。
まさか本当に泣いてはないと思うけど……このままじゃAも悲しませたままだ。ハリーは最後の手段を使った。
「ロン、次の練習でファイアボルトに乗る約束だったろ？きっと素晴らしい乗り心地だよ。ゴールにシュートしてみたら？」
ハリーのこの提案は、思惑通りロンの意識をスキャバーズから離れさせた。
ファイアボルトを持ってくる!と元気に男子寮の階段を駆け上がったロンを見届けたAが、『ロンって単純…』と呟いて双子を笑わせた。
「僕たちも練習に行こうか」
「そうだな。明日の土曜がついにレイブンクロー戦だ。これに負けたら、我々は優勝争いから脱落さ」
「まあ、心配することはないけどな!なんせこっちにはファイアボルトがある」
『優勝、優勝!!オリバーに優勝カップを持たせてあげるんだもんね!!』
一気にやる気を出したAを先頭に、ハリー達も競技場に向かった。
＊
ロッカールームを出て競技場に集まると、ウッドは既にユニフォームに着替えて立っていた。
「ハリー、たった今レイブンクローのシーカーが誰だか聞いた。チョウ・チャンだ。四年生で、これがかなりうまい。怪我をして問題があるということだったので、実は俺としては治ってなければいいと思っていたのだが……」
さらっと酷いことを言ったが、言い方からしてチョウ・チャンは治ったのだろう。
『その子、知ってる!可愛い子だよね!』
Aが横でそう言うと、アンジェリーナとケイティも頷いた。
「しかしだ、チョウ・チャンの箒はコメット260号。ファイアボルトと並べばまるでおもちゃだ」
ウッドはハリーが持っているファイアボルトに熱い視線を向けた。そしてメンバーに目線を戻す。
「よし、みんな、行くぞ──!!」
そしてついに、ハリーはファイアボルトに乗って地面を蹴った。
ファイアボルトは想像以上に素晴らしかった。
ハリーの思い通りに向けを変え、そのスピードは凄まじい。ターン、急降下、急上昇──すべてが完全にコントロールできた。
「ハリー、スニッチを放すぞ!」
ウッドが呼びかけて、飛び出したスニッチを追いかけると10秒後にはスニッチをしっかりと握りしめていた。
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とま(プロフ) - ばるるさん» ばるるさん!コメントありがとうございます!!長くなりそうですが、地道に読んでくださると嬉しいです❕更新頑張ります❕😖 (2022年4月18日 23時) (
レス) id: 9bd2711725 (このIDを非表示/違反報告)
ばるる(プロフ) - この作品の1からここまで一気に読み進めてきました！とても読みやすくて面白いです(*^^*)体調にお気をつけてこれからも頑張ってください！o(^-^)o続き楽しみにしてます♡ (2022年4月18日 23時) (レス) @page31 id: f29cd1f82d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とま x他1人 | 作成日時：2022年3月29日 23時
