78話 ページ28
やっと詰まった鞄をよいしょ、と背負いながら、不自然なくらい澄ました顔をした。
急に舌打ちされたロンは、もちろん簡単に引き下がらない。
「いや、なんでもあるよ。僕が、ルーピンはどこが悪いんだろうって言ったら君は──」
「あら、だってそんなこと分かりきったことじゃない？」
優越感を漂わせた、高飛車な言い方をしたハーマイオニーはどこか１年生の時に戻ったように見えた。
「教えたくないなら言うなよ」
「あら、そう」
まずい空気だ。
一緒に居るだけでピリピリするような空気の中、ハリーもAも困り顔で様子を伺った。
でも今回は箒を没収されてハリーも少し怒っているようで、いつもよりハーマイオニーと目を合わせようとしない。
ハーマイオニーの態度は良くないけど、箒は絶対にハリーのために善意でやってくれたことだ。
「……知らないくせに」
ハーマイオニーがツンツンと歩き去った後ろ姿を睨みつけながら、ロンが吐き捨てた。
「あいつ、僕たちにまた口を聞いてもらうきっかけが欲しいだけさ」
『……私、追いかける。二人とも先に行ってて』
「なんだって？やめとけよA!行ったってさっきみたいにでかい舌打ちされるだけだぜ。君ハーマイオニーの肩持つのかい？」
『別に肩持つとかじゃないけど……ねぇ、ハーマイオニーは意地悪で箒を取り上げたわけじゃないの。それは分かるでしょ？』
「……」
ロンとハリーの手をAが片手ずつに握って二人と目を合わせた。
『ハーマイオニーのこと怒らないで、お願い』
そう言うと、Aはハーマイオニーが歩いて行った道を追った。
＊
『ハーマイオニー!』
「……」
『ハーマイオニーー!!』
「……」
『ハー!!マイオ!!ニーーー!!』
スタスタと早歩きで歩いていたハーマイオニーは階段前の廊下の隅でやっと足を止めた。
だけど振り返る様子はない。
『もう、大丈夫じゃなくなったら私に言ってって言ったのに』
「……私、大丈夫よ」
『ぜんっぜん大丈夫じゃない!いつものハーマイオニーだったら、あんな言い方しないでしょ？』
「あら、私はいつもこんな奴よ。ロンだってそう言ってなかった？Aは私のこと何か勘違いしてたんじゃないかしら？」
『……』
早口で話すハーマイオニーは、一度も目を合わせようとしてくれない。
目が合わないハーマイオニーの茶色い瞳を、Aが悲しげに見つめていた。
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とま(プロフ) - ばるるさん» ばるるさん!コメントありがとうございます!!長くなりそうですが、地道に読んでくださると嬉しいです❕更新頑張ります❕😖 (2022年4月18日 23時) (
レス) id: 9bd2711725 (このIDを非表示/違反報告)
ばるる(プロフ) - この作品の1からここまで一気に読み進めてきました！とても読みやすくて面白いです(*^^*)体調にお気をつけてこれからも頑張ってください！o(^-^)o続き楽しみにしてます♡ (2022年4月18日 23時) (レス) @page31 id: f29cd1f82d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とま x他1人 | 作成日時：2022年3月29日 23時
