70話 ページ20
「ロン、バカなこと言わないで!!ハリーが誰かを殺したいなんて思うわけないじゃない。そうよね？ハリー？」
ハリーは黙り込んだ。
ハリーの表情は深刻だけど、殺したい、という明確な殺意があるようには思えない……思いたくないだけかもしれないけど。
でもブラックがこのまま野放しになっているのはとても耐えられない。そんな表情だった。
『……ブラックのやったこと、とっても、とっても酷いことだと思う。両親の仇を討ちたいっていう気持ちも──』
「ちょっとA、何を言うつもり？……ハリー。あなたのご両親だって、あなたが怪我することを望んでらっしゃらないわよ。ご両親は、あなたがブラックを追跡することを決してお望みにならなかったわ!!!」
「父さんと母さんが何を望んだかなんて、僕は一生知ることはないんだ。ブラックのせいで、僕は一度も父さんや母さんと話したことがないんだから」
このままではまずい。
ロンとハーマイオニーの喧嘩ならいいけど。いや良くはないけど、そんなのはもう慣れっこだ。
だけどハリーとハーマイオニーの喧嘩はまずい。普段ハリーはハーマイオニーに何か強く言い返したりしないのに……。
感情的になってる二人を止めることができるのは私達だけだ。ロンに決死の目配せをすると、ロンもAの目を見て頷いた。
『あ──ああ、あー!!そうだ、私ったら忘れちゃってた!ねぇ、もうすぐ何の日かわかる？……クリスマスよ!!』
「そ、そうだよ!それじゃ、それじゃハグリッドの小屋に行こう!もう何百年も会ってないよ!」
「ダメ───!!!」
話題を変えようとしたAとロンに、ハーマイオニーは素早く噛み付いた。
「ダメよ!!ハリーは城を離れちゃいけないのよ……!!」
「…よし、行こう」
「ハリー!!!」
「そしたら僕、聞くんだ。ハグリッドが僕の両親のことを話してくれた時、どうしてブラックのことを黙っていたのかって!」
しまった。またブラックのことを持ち出されるのは計算外だ。
『あ──じゃなきゃ、チェスをするのは？それかゴブストーン・ゲームとか？』
「それにしよう!パーシーが一式忘れていったんだ」
「いや、ハグリッドのところへ行こう」
ハリーは頑なに言い張った。
チェスもゲームも、いつも誘えば笑顔でやってくれるのに。これ以上何も言うことはできず、Aたちは渋々部屋からマントを持ってきて、ハグリッドの小屋へ向かった。
外は当然のように雪が降っていた。
ハグリッドの小屋まで歩くだけでも四人は凍え上がっていた。
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とま(プロフ) - ばるるさん» ばるるさん!コメントありがとうございます!!長くなりそうですが、地道に読んでくださると嬉しいです❕更新頑張ります❕😖 (2022年4月18日 23時) (
レス) id: 9bd2711725 (このIDを非表示/違反報告)
ばるる(プロフ) - この作品の1からここまで一気に読み進めてきました！とても読みやすくて面白いです(*^^*)体調にお気をつけてこれからも頑張ってください！o(^-^)o続き楽しみにしてます♡ (2022年4月18日 23時) (レス) @page31 id: f29cd1f82d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とま x他1人 | 作成日時：2022年3月29日 23時
