62話 ページ12
ただ、ハリーにとっては嬉しくないこともあった。学期の最後の週末、前回に引き続きホグズミード行きが許されたのだ。
前回はAが早く帰ってきてくれたけど、毎回そうしてもらう訳にはいかない。
今度こそ学校に取り残されるのは自分一人だろうと覚悟を決めて、ハリーはホグズミード行きの土曜の朝、みんなを見送った。
ロンとハーマイオニーとAが並んで城から離れていく。Aがロンを巻き添えにして積もった雪に飛び込むのを窓から眺めていると、後ろからよく似た二人の声が聞こえた。
フレッドとジョージだ。
隻眼の魔女の像の後ろから顔を覗かせている。
「何してるんだい？どうしてホグズミードに行かないの？」
「行く前に、君にお祭り気分を分けてあげようかと思って」
フレッドがバチンとウインクした。
「僕たちの可愛い可愛い妹のAが、君がホグズミードに行けないって悲しんでるんだ」
「そう。俺たちに話しながらシクシクと泣いていた。そんなの君だって、ほっとけないだろ？」
「「そこで、ひと足早いクリスマスプレゼントだ」」
フレッドがローブの下から何かを引っ張り出して、広げて見せた。相当くたびれた羊皮紙だ。
前置きのAの話も気になる所だが、またフレッドとジョージの冗談か、と羊皮紙と双子を交互に見る。
「これ、一体なんだい？」
「これはだね、ハリー。僕たちの成功の秘訣さ」
ジョージが羊皮紙を愛おしげに撫でた。
「君にやるのは実におしいぜ。しかし、これが必要なのは俺たちより君の方だって、昨日の夜そう決めたんだ」
「それに、僕たちはもう暗記してるしな。我々は汝にこれを譲る。僕たちにゃもう必要ないからな」
「古い羊皮紙の切れっ端の何が僕に必要なの？」
「古い羊皮紙の切れっ端だって!」
フレッドはハリーが致命的に失礼なことを言ってくれた、と言わんばかりに顔をしかめて、わざとらしく両目をつぶった。
「ジョージ、説明してやりたまえ」
「よろしい……我々が一年生だった時のことだ、ハリーよ。また若くて、疑いを知らず、汚れなき頃のこと──」
「ぶふっ、」
しまった、思わず吹き出してしまった。
だってフレッドとジョージに汚れなき頃があったとは思えない。
「まぁ、今より汚れなき頃さ。クソ爆弾を爆破させて、これをフィルチの部屋から失敬した。フィルチがこれの使い方を分かってたとは思えないけどね」
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とま(プロフ) - ばるるさん» ばるるさん!コメントありがとうございます!!長くなりそうですが、地道に読んでくださると嬉しいです❕更新頑張ります❕😖 (2022年4月18日 23時) (
レス) id: 9bd2711725 (このIDを非表示/違反報告)
ばるる(プロフ) - この作品の1からここまで一気に読み進めてきました！とても読みやすくて面白いです(*^^*)体調にお気をつけてこれからも頑張ってください！o(^-^)o続き楽しみにしてます♡ (2022年4月18日 23時) (レス) @page31 id: f29cd1f82d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とま x他1人 | 作成日時：2022年3月29日 23時
