61話 ページ11
＊
「試合のことを聞いたよ。箒は残念だったね、修理することは出来ないのかい？」
闇の魔術に対する防衛術の授業の後、ハリーは本をカバンに詰め込むルーピンと話していた。
「いいえ、粉々になって……もうダメです」
「そうか……」
荷物を持ち上げて、ルーピンがため息をついた。
「先生……!どうして僕は他の人よりディメンターに影響されるんでしょう、僕がただ──」
「弱いかどうかとは全く関係ない」
まるでハリーの心を見透かしたように言った。
「ディメンターが君に強く影響するのは、君の過去に、他の誰も想像できない恐怖があるからだ。恥じることはないよ」
「……僕、怖いんです。あいつらがそばに来ると、ヴォルデモートが僕の母さんを殺した時の声が聞こえるんです」
「怖くなかったら、返っておかしい」
ルーピンは軽く笑ったが、ハリーはめげなかった。
ディメンターに打ち勝つための方法は、この人しかない。だって実際に追い払ったのを見たのだ。
「どうやって戦ったらいいのか、教えてください!先生は汽車で追い払ったでしょう……!」
「あの夜は一人だけだった」
「でも、追い払いました」
どうか、お願いします、と思いを込めてそう言うと、ルーピンは折れてくれたようだった。
「いや、わたしはその手の専門家ではないが……ディメンターが君に特別に興味を抱いたなら、教えてあげるべきかな」
「だが休暇が終わってからにしよう。今は休まないと」
＊
ルーピンがディメンター防衛術を教える約束をしてくれて、二度と母の最期の声を聞かずに済むかもしれないこと。
それとクィディッチでレイブンクローがハッフルパフをぺちゃんこに負かしたことで、ハリーは着実に元気を取り戻していた。
グリフィンドールはもう一試合も負けられないが、まだ優勝争いから脱落してはいなかったのだ。
ウッドはまたあの狂ったようなエネルギーを取り戻し、今までにも増してチームをしごいて練習を張り切った。
さらに嬉しいことがあった。
クリスマス休暇を、ロンもハーマイオニーもAもホグワーツに残ることにしたのだ。
ロンは、「二週間もパーシーと顔を合わせるなんてかなわないよ」と言って、ハーマイオニーはどうしも図書館を使いたい用事がある、と言い張った。
Aは『家のウィローが今羽を伸ばしきっているから』とよく分からないことを言い張ったが、ハリーには全部分かっていた。
三人とも、ハリーのそばに居るために残るのだ。
ハリーにはそれが何より嬉しかった。
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とま(プロフ) - ばるるさん» ばるるさん!コメントありがとうございます!!長くなりそうですが、地道に読んでくださると嬉しいです❕更新頑張ります❕😖 (2022年4月18日 23時) (
レス) id: 9bd2711725 (このIDを非表示/違反報告)
ばるる(プロフ) - この作品の1からここまで一気に読み進めてきました！とても読みやすくて面白いです(*^^*)体調にお気をつけてこれからも頑張ってください！o(^-^)o続き楽しみにしてます♡ (2022年4月18日 23時) (レス) @page31 id: f29cd1f82d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とま x他1人 | 作成日時：2022年3月29日 23時
