59話 ページ11
ハリーは両親。ロンは首席でクィディッチのキャプテン。この鏡のことはよく分からないけど、何か自分に無いものや、欲しているものが見えているのだ。
何が見える？と言う二人に、Aはやっと口を開いた。
『……私が映ってる。ローブを着て、普通の私』
そう言うと、Aはいつも通りの顔で笑った。
『.....これ、最高ね』
最高だと笑うAの顔はどこか苦しげだった。それでもその鏡に映ったのがいつも通りの自分だと言う彼女の言葉を、ハリーは信じたし、信じたかった。
＊
「また来たのかね、A」
鏡の前で立ち尽くすAの後ろから現れたのは、ダンブルドア校長だった。
「君も多くの人々のように"みぞの鏡"の虜になったようじゃな」
Aは少しの間黙っていたが、ゆっくりと口を開いた。
『でもこれ、嘘なんでしょう？』
「嘘でも、真でもない。A、君にはそこに映った家族の笑顔が嘘だと思うんじゃな？」
『私の父が、私の隣でこんなに幸せそうに笑うわけないもの』
薄らと目尻に涙を浮かべて言ったAを、ダンブルドアは静かに見たまま佇んでいた。沈黙の間も、Aはひたすら鏡の中を見つめ続けている。
「しかしA、君のその瞬間記憶能力は他でもない君の父から授かったものじゃ」
『望んでそうした訳じゃないでしょ？たまたま遺伝したの。でも私、別にいらなかったよ』
「わしには君のその能力は、オスカーが最期に君に遺したものに思えるんじゃがな」
『……だとしたら、最高の贈り物だね』
父と母は、Aが物心ついた頃から既に他界していた。ハリーと同じ、闇の帝王に立ち向かって──それならよかった。
父は自死だった。一歳に満たないAの目の前で、母が死んだショックで立ち直れなくなった父は自死したのだ。
その映像が今になっても鮮明に残って忘れられないのが、父からの贈り物だなんて、最高のジョークだ。
父も、Aと同じ見たものを瞬間的に覚える超人的な脳を持っていた。こんな力じゃなく、母の何かを受け継げていたらどんなによかったかと毎夜思った。
「A。この鏡は、見たものの本当の望みを映すんじゃよ」
ダンブルドアが目を逸らさずに言った。
父に愛されることが私の本当の望みだと言いたいんだろうか。私は父のことを忘れたいのに。
あんまりじっと見てくるので、Aも負けじと半月型の眼鏡の奥の目を見つめると、ダンブルドアはにっこりと口角を上げた。
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Uo(プロフ) - れいさん» コメントありがとうございます❕しばらくおやすみしていて、その上不定期な更新で待っていてくださる方々には本当に申し訳ない気持ちです😞少しずつでも進めて完結させたいと思っているので、これからもどうぞよろしくお願いいたします…!! (4月8日 23時) (
レス) id: 2ac4bc0020 (このIDを非表示/違反報告)
れい - めっちゃ久しぶりにコメント失礼します！前に書いたコメントが返信されてて、よっしゃー！って心の中で叫びました！このシリーズのほんとに好きなので、ゆっくりでもいいから更新して欲しいです...。ずっと、ずっと応援していますから！ (3月31日 20時) (レス) id: d760ec90d4 (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - れいさん» コメントありがとうございます❕ハリー好き意外と少ないので嬉しいです…!!ご期待に応えられるよう頑張るので、気長にお付き合い頂けると嬉しいです! (3月31日 19時) (レス) id: b8e3b5cbd8 (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - みかんさん» コメントありがとうございます❕完結までどうか気長に待ってくださると幸いです😖 (3月31日 19時) (レス) id: b8e3b5cbd8 (このIDを非表示/違反報告)
れい - 主人公ちゃんがハリーにおんぶされてる...可愛すぎだろ！ハリー大好きなので、すごいこのシリーズ大好きです！ (12月21日 14時) (レス) @page8 id: d760ec90d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とま x他1人 | 作成日時：2022年2月7日 12時
