【ハリーポッター】魔女が紡ぐ (ページ45)

今日:91 hit、昨日:98 hit、合計:659,156 hit

43話ページ45

「『クィディッチのシーカーになった？!』」

『凄いハリー!!』

「でも一年生が選手に選ばれるなんて、聞いたことないよ!何年ぶりかな」

「百年ぶりだって」

あの後ロンがAの手を引いてハリーを迎えに行くと、ハリーはロンの後ろで泣くAにギョッとして戸惑った。

しかしAの頭を遠慮がちに撫でながらハリーが言ったことに、今度はロン達が驚かされることになる。冒頭に戻る。

並んで歩いていると、三人は背の高い双子に挟まれた。

「おいシーカーになったんだってな!」

「ウッドに聞いたぜ」

「フレッドとジョージも選手だよ。ビーターさ」

「俺たちはお前がボコボコにされないように守るのが役目。ま、保証はできないけどな」

「クィディッチは荒っぽいから、恐いぞ〜？……おいA？どうしたんだよ？」

フレッドに顔を覗き込まれて、Aが慌てて反対を向くと、今度はジョージと目が合う。

「おいA、鼻が赤いぜ。泣いたのか」

「誰にやられた？言ってみな」

『ハリーがシーカーになったのを想像して感動したのよ。ね？』

無理がある、とロンとハリーは思ったがとりあえず頷くとフレッドとジョージは何か言おうとしたが、やめてハリーに目線を移した。

「死んだやつはいないから安心しろ!でもたまに居なくなっちゃうやつはいるな」

「ひと月も経ったら出てくるけどね!」

最後にまたAを見てから、双子は廊下の分かれ道を歩いて行った。

『ハリーのこと脅かしてるんだわ』

「そうだよ。それにしてもすごいよ!一年生でクィディッチの選手なんて……!」

「でも僕、不安だよ。あの時は夢中だったから……もし下手くそだったら」

弱気なハリーの横に、ふわふわの栗毛が揺れる。

「下手くそなんてこと、絶対ないわ。だって、親譲りだもの」

いつの間にか現れたハーマイオニーが、ハリー達をクィディッチのカップが飾られているガラスケースの前まで連れていった。

【シーカージェームズ・ポッター】

「君のお父さんも、シーカーだったんだ……!」

カップに刻まれた父の名は、不安なハリーの心に自信をつけた。

✳︎

「変じゃないか？自分のことなのに、ハーマイオニーよりも知らないんだね君」

階段を登りながらロンが言った。

「うん。そうなんだ」

大きな音と共に階段が揺れた。咄嗟に手すりに捕まる三人がそれぞれ声を上げる。

『うわわわ……!!』

「どうしたの？!」

「階段は動くのよ!忘れたの!？」

再び大きな音がして、階段が別の道へ繋がった。