22話 ページ24
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ホグワーツの次に安全だというグリンゴッツ魔法銀行も、やっぱりハリーが元いた世界の銀行とは全く違う場所だった。
どこが違うかと言われれば色々あるけれど、まず、向こうの世界では背がハリーよりも小さくて、鼻と耳がとんがった生き物が書類と顔を突き合わせているなんていうところは見たことがなかった。
銀行の中はピンと緊張感が張り詰めていて、ハリーはヒソヒソと小声でハグリッドに話しかけた。
「ねえ、ハグリッド。そこにいっぱい居るのは何？」
「
ハグリッドにそう言われて、ハリーはちょっとだけハグリッドと距離を詰めた。
やっぱり、小鬼なんて生き物は知らなかった。きっとこの世界では常識なんだろう。
ハグリッドは突き当たりまで歩いて、一番大きくて高い机に座っている小鬼の前で立ち止まった。
「ハリー・ポッターさんの金庫を開けたいんだが」
「あぁ……鍵はお持ちですかな？ポッター様」
尖った耳に高い鼻、大きな黒目がぎょろりとハリーを見た。
そんな目で見られても、ハリーは持っていない。持っているはずもない。それどころか初体験だらけなのだから。
困ったハリーの横で、何やらガサゴソと布が擦れる音がした。
「待ってくれ、どっかにあると思う.....おっ、どうだこれ」
ハリーに代わってハグリッドが鍵を取り出した。
「今日はもう一つ用事がある...…ダンブルドア教授からだ」
鍵を見せた後にそう言って、ハグリッドは懐から何かを取り出した。
取り出したのは手紙だ。
何やら重大そうな手紙をゴブリンに手渡して、ハグリッドは察してくれよと言いたげに、小鬼にウインクをして見せた。
【極秘】
「...例の金庫に入ってる、例の、アレのことだ」
「.........では、」
どうやら、小鬼にも伝わったようだ。
そしてまた元の世界との違いが発覚した。どうやらこの銀行の移動方法は、線路を走るトロッコらしい。
ハリー達はトロッコに乗って687番金庫に到着した。
荒ぶった運転のトロッコにハリーは少し驚いたが、少し後には更に驚くことになる。
「父さん母さんがお前に残していったぞ」
ポッター家のものだという金庫の中は、眩しいくらいに金貨が山積みになっていた。
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作者名：とま | 作成日時：2022年1月31日 23時
