ろく ページ6
泣き止んだ後、
お鶴さん達とせっせと晩御飯を食べ、三人で川の字になるように床についた。
お鶴さん達は規則正しい寝息をたてながら熟睡している。
そんな二人を横目見ながらミサは当然寝付けるはずもなかった。
(やっぱり転生してるよね)
身に覚えのない、手のひらに出来た豆や指先にはうっすらとある傷跡。そして、極めつけには短く乱雑に切りられた髪に銀に近いような髪色。
事故に会う前の自分と全く違う姿になっていた。
(なんでよりによって戦国時代なの、)
判断を誤ったらすぐに死んでしまう世の中。
戦いが耐えないこの乱世でどう生きるのか、不安を抱えながらも、ミサは瞼をとじた。
一ヶ月後
怪我もだいぶ癒え、家の家事を手伝えるようになるまで回復した。
お鶴さんと幸治さんには、『絶対に無理はしないように』ととんでもない形相で釘を刺された。
特に幸治さんはかなりの心配性で一度話すと止まる気配が全くない為、お鶴さんが無理やり幸治さんを仕事場に行かせた。
最近の楽しみはお鶴さんと二人で洗濯をしながら女性同士の話をすることだった。
「あははっ!」と二人で笑いあっていると、ふと、お鶴さんが聞いてきた。
「あ、そういえば!!ミサ、髪切ってみない?」
「髪ですか、?」
そういえばと思い自分の髪を見ていると、放ったらかしにしていた、乱雑な髪があった。
「そうですね。お鶴さん、お願いしてもいいですか?」
「うふふ、腕がなるわ」
そして、翌日
土間の段差で座っている私を刃物を持ったお鶴さんが目の前に立っていた。
「ミサ、本当に切ってしまっていいのかい?」
お鶴さんが心配そうに再度私に尋ねる
「はい、よろしくお願いします」
ミサの決意は変わらない。それを読み取ってかお鶴さんは折れた
「はぁ、仕方の無い子だね。飛びっきり可愛くしてあげるわ」
やる気満々のお鶴さんに笑ってしまう
「ふふ、ありがとうございます」
髪に刃を入れること数分後
「ほら、出来たよ」
お鶴さんから手鏡を受け取ると、そこには黒髪で男性のような髪をしたミサが写っていた。
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髪型は黒髪のころん君を想像していただければ幸いです
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作者名:あいす | 作成日時:2023年11月20日 22時