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なんで話しかけられたのかは知らんがそれは嘘だろ。


分かるぞ!私前世で君の子供の演技散々見て来たんだからな!




とにもかくにも、コナンくんは私の名前が知りたいらしい。


でもあんな見え透いた嘘を吐かれたらちょっと警戒しちゃうじゃないか。


それになんだか、緊張した面持ちで私の返答を待つコナンくんの姿を見ていると、だんだんイタズラ心が芽生えてきた。




…そういえば例の動画の件の仕返しもまだ済んでいなかった。


それついでにちょっと困らせてやろう。




私は彼の目線に合わせて屈んだ状態のまま、無表情で首を傾げた。




「私はハンカチに名前を書いていない。だからそのハンカチは少なくとも私の物ではないと思う。」




名前を告げずにそれだけ伝えると、私はすっと立ち上がる。




「え、ま、待って、」

「持ち主が見当たらないようならスタッフに預けろ。」




私はそう言って立ち去ろうとしたが、コナンくんが後ろからガシッと私の腕にしがみついた。


なんか前にもこんなことがあった気がする。




内心バクバクと心臓を鳴らしながら見下ろせば、コナンくんは上目遣いで「本当に、お姉さんのじゃない?」と尋ねてきた。


なんともプリティーなお顔と声である。あざとい。




「………………そうだ。他を当たってくれ。」




そう返すと、コナンくんは意外にもあっさりと引き下がった。


「ごめんねお姉さん!」なんて言いながら笑顔で退場する始末である。




……うん、怪しすぎるね!




コナンくんが去った後その場で彼に掴まれた腕を確認すると、袖口に何やら取り付けられているのが確認できた。




うん、今までのやり取りから察するに、これ盗聴器ですよね。


コナンくんてばなんで偶然見つけた一般人にこんなもの仕掛けるの…?




……ていうか、この変装姿になってから色々変じゃないか?

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作者名:しま | 作成日時:2018年4月29日 21時

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