爆裂ワガママお嬢様が前世を思い出したら (ページ6)

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「おかえりなさいませ。」

すげえ……本物のメイドさんだ……

帰宅した私を出迎えたのは、だだっぴろい玄関と複数のメイドさんたちだった。

「お荷物お預かりします。」スッと近づいてきたメイドさんにビビりながらも、澄まし顔で荷物を預ける。

その後も甲斐甲斐しく世話を焼いていただきながら、やっと自室にたどり着いたのは風呂も夕食も済ませた後のことだった。

「疲れた……」

はあ、とため息をついてフカフカのベッドに埋もれる。

このままベッドに沈んで沈んで沈みまくって、ベッドの綿に生まれ変わりたい。

そんな馬鹿なことを考えるくらいには疲弊していた。

それにしてもこの家デカすぎる。

化粧を落としに行った洗面台ですら前世のものとは比べ物にならない程の大きさだ。

そこの鏡で今世の自分の顔も確認した。

まあ、美人なんだろうな、この顔は。

美人だし、厚化粧なんてことはなく普通にプロ並みの化粧を施していた。

プロ並みの化粧ってどんなものか分からないけど、なんかアレだ、女優さんがするようなやつ。

普通に美人なのに、性格が残念すぎた。

記憶を遡る限り、私のことを好いていそうな人は家族ぐらいのものだった。

辛すぎる。自業自得だけど。

「でも、さすがにこの化粧は維持できない……
メイク自分でやってたのかな。私こんな技術ないんだけど……」

せっせと記憶を掘り起こせど、化粧に関する思い出はまったく出てこない。

私は再び、はあとため息をついた。