白亜の翼は暁天を抱く～ブラッククローバー (ページ7)

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第６２羽ページ7

突然だが、Aはモテる

いや、そんな言葉じゃ足りないほどに、
Aには人を惹き付けて離さない魅力がある

実際に魔法騎士団団長たちは全員Aに
惚れ込んでいるし、天使団の団員たちですら、
密かに想いを寄せるものも数知れず

あのクセの強い団長たちだけでも、
ひとたびAを奪い合おうものなら
クローバー王国一帯は即更地である

なら、(小さい小競り合いは捨て置き)
ここまで大きな争いが無かったのは何故かーー？

それは決して偶然ではなく……

Aがアプローチする側が絶望するほど鈍感で、恋愛経験に乏しく、何より…

A本人に、好きな人がいないと思われていたからだったーー

しかし、そんな世界の均衡は、Aのドジによって終わりを告げたーーーー

￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

貴「あのー、ウィリアムさん？その手に持っている縄のようなものは何でしょうか…？」

おもむろに解放されたAは、
ウィリアムが部屋の外から持ってきた"それ"に
嫌な予感しかしない

ウィリ「縄のような物、じゃなくて縄だよ」

救いようのない訂正と共に、
ふふふふ、と乾いた笑いでウィリアムは返す

貴「……？えと、誰か捕まえるんですか？」
ウィリ「…さっきからそれはわざとなのかい？」
貴「？」

口を開く度に墓穴を掘っていくことに、Aは気付かない

まぁいいさと小さくこぼし、ウィリアムはAの髪をサラ…と掬い、一考した

Aが他の男モノになるくらいなら…

閉じ込めてしまえばいいのではーー！？と

我ながら名案と頷きながら、ウィリアムが
いまだに状況が飲み込めないAに縄をかけようとしたとき……

コンコンコンッ

救いのノックが響いた

ウィリ「チッ」←

貴「？？？」

ウィリアムはサッと縄をローブにしまい
入室を許可した

？「失礼します」

部屋に入ってきた人影にAは喜色を浮かべた

貴「ユノ！！」

ユノ「久しぶりA」

実はユノ、クラウスからAがここに来ていることを聞いて来たのだ

ユノ「ウィリアム団長、前回の任務の報告書です」

ウィリ「あぁ、ご苦労だったね」

ユノ「Aは何か用が？」

貴「ん？今ねーー…」

￣￣￣￣￣￣￣

Aは説明した。
魔法帝ユリウスの勧めでこんなことを聞いているのだと

もちろん、
大人として見られたいがために恋人を作ろうという、目的も手段も滅茶苦茶な話もだ