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集合は裏口で!!! ページ14

その日の秀明は、これからの調査に気を取られて、全く集中できなかったの。
と言っても、得意な方な国語や英語だったからまだ良かったんだけどね。
数学の授業じゃなくて本当に良かった〜!

そして、授業が終われば急いで支度して、玄関へ一直線!
だって、まだ早い時間に行って調査を済ませれば少しは怖くなくなるかもしれないもん。
しかし、玄関前まで来ると、やけに周囲が騒がしかった。
なんでだろう?早く通してほしいなぁ〜。
そんなことをぼんやり考えていると、

「ねぇ、やっぱりあそこに居るのKZの子じゃない? 」

「えっ! あっ、本当だ!! 」

「上杉くん、居るよ! 」

「若武も居るよ! かっこいいなぁ〜」

「サインもらえるかな? 」

「HSの美門も居るよ!? 」

「どういうメンツなの? 」

「そんなのいいじゃん、別に。
 こんなに間近で見られるんだから」

あぁぁ〜〜〜〜!
しまった!
集合はここじゃない所って言うの忘れてた!
どうやって通ればいいの?
この騒ぎの中合流するのは、無理!!
もう、私のバカバカバカ!!!

内心大慌てしていると、

「あっ、アーヤこっち」

こっちじゃない!
私の声は届かなかったみたいで、周りの人は私を見てきた。
し、視線が痛いです……

「あの子だれ? 」

「知らない顔」

「もしかして、いっつもKZの人といる子ってあの子じゃない? 」

う、目立ってる。
こうなったら強行突破!
私はなるべく早く歩いて、玄関を出て裏道まで逃げた。

「なんで逃げるんだ!
 待ってたんだぞ! 」

私には私の事情があるの!

「若武先生落ち着いて。
 早く行かないと事件が他人に取られるぞ。
 リーダーとして一言。 」
「そうだな!
 それでは諸君、調査しに行くぞ!」

黒木君助かった〜。
でも、もう少し前に気を遣って欲しかったな〜。

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作者名:雪城由梨@LILY | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/userid10301/  
作成日時:2020年8月22日 11時

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