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1年前のあの日5 ページ25

任務が終わり、伊地知の車に乗って帰宅していた僕は、ぼやく。

「ていうか、なーんで伊地知なのー?Aが良かったー」

「す、すみません。しかしこの伊地知、安全に五条さんを送り届けますから!」

全うに返してくるが、そういう事じゃない。

今日は、Aと一緒にいる口実が欲しかった。
そしたら、この後軽く食事でも、とか誘いやすかったのに。

どうするかな。
今年も、去年のようにあの普通男とデートしてるんだろうか。
柄にもなく胸が痛むのを感じた。


ふいに、鳴ったスマホ。

表示を見ると【七海建人】の表示。

少し顔をしかめた。
本日、Aが運転する車に乗ってるヤツ。

珍しいな、とメールを開くと短文と画像。

『食事中です』

画像には、ビールの横で伏し目がちにおつまみを口に運ぶAの横顔が映っていた。
少し顔が赤らんでいる。酒のせいなのか、どうか。


「は?殺す」


怒気を帯びた文句を、そのままメールに打つ。



何を勘違いしたのか、運転している伊地知の肩がビクついた。


「すすすす、すみません!!私が五条さんを安全に、なんて差し出がましかったです·····!!」

怯える伊地知に、ため息を吐く。

「いや、伊地知に言ったんじゃないから。ていうかそこは自信を持って安全に届けてくれない?」

「ははは、はいっっ!!」



イラつく。数十秒待ってみたが、返信がない。

待ちきれず、電話をかけようとしたところで、メールの受信音が鳴った。




『Aさんから誘われて仕方なくです。誤解なきように。』


「いや、何様だお前。余計腹立つわ。」





「ひいぃぃぃぃぃ!」

肩を吊り上げる伊地知に、もう一度ため息が出た。

背後から軽く椅子を蹴りあげる。


「ちょっと黙って運転してくれる?」

「···············っっっ!!」


伊地知には申し訳ないが、ただでさえイラついてる中で、男の悲鳴なんか聞かせられると余計ムカつく。

無言の悲鳴を上げる伊地知は放っておいて、スマホををうつ。




『どこいんの?』


『簡単には教えられません』


『は?』


『私とAさんが二人で飲んでいるだけで、あなたキレるでしょう。先輩を下手に怒らせるようなリスク、犯したくないので。』


何言ってんだ、すでにキレさせてんだろ。

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設定タグ:夢小説 , 呪術廻戦 , 五条悟   
作品ジャンル:アニメ
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しゃっと(プロフ) - しぃぷさん» コメントありがとうございます!自己満だなぁと思いながら書いてたので、こんな褒めてもらえるなんて…!嬉しすぎます。ありがとうございます!また新しいお話もがんばるので、そちらにもぜひお越しください〜。 (2021年2月4日 23時) (レス) id: 79cfbcfb05 (このIDを非表示/違反報告)
しぃぷ(プロフ) - いや、マジで天才かと思いました。めっちゃ好き過ぎる……話の構成も流れも最高です!!完結おめでとうございます!新作が出たら1番に応援しに行きますね!素敵な作品を有難う御座います!! (2021年2月2日 13時) (レス) id: c3f6824249 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しゃっと | 作成日時:2020年12月5日 14時

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